
インタビュアー タージン(タレント)
阿部 ちゃおのコンセプトは「ちょっと若めのおばあちゃん」なんです。宿題をしない子どもを厳しくしつけるのではなく、「ここだけはやっとこか」と優しく諭してあげられるような存在でいること。客観的な目線で、近すぎず遠すぎずの絶妙な距離感で接して成長を促すことが私たちの療育なんです。
タージン 障がいのある子どもにとって、ちょっと離れたところから見守ってくれるおばあちゃんは頼れる存在ですね。これは従来の福祉に欠けているユニークな視点だと感じます。
阿部 また、るーちぇでは、お金やスケジュール管理など社会に出るための知識や経験を養うことを大事にしています。「人それぞれ」と言いながら、実際は激しい競争が待ち受けているからこそ、私たちは社会に参加していくための力を養う療育を目指しているんです。
タージン 阿部社長は、子どもに社会で生きる力を与えることを重視していらっしゃるんですね。
阿部 はい。例えば障がい者の就労というと軽作業が思い浮かびますよね。でも、これだけでは障がい者が稼げる金額に上限があります。そこで弊社では、カメラや照明などの機材をそろえた「Donna(ドンナ)スペース」を運営しています。このスペースは一般の方にヨガやバレエ、セミナーなどを映像で配信する際に利用していただくだけでなく、障がい者や高齢の方にも得意な分野で活用してもらい、自立や就労、自営の機会を得られるようサポートしているんです。
タージン それはおもしろい。稼げる金額に上限がないなら、働きがいが増すでしょうね。阿部社長のアイデアは素晴らしいです。

タージン 福祉という言葉でくくるとさまざまなフィルターがかかってしまうものです。そうした古い枠にとらわれず、一人ひとりの人生を考えた取り組みを続ける阿部社長の活動は見事ですね。これからも柔軟な発想で福祉の世界を変革してください!
「仕事を楽しむ」とは‥
やらされるのではなく、自分がやりたいことを仕事にしていくという気持ちが大事だと思います。自分が選んだ仕事で誰かのお役に立てたとき、「ありがとう」の笑顔に出会えたら、「やってて良かった、幸せ」と感じます。仕事に深刻さは必要ではありません。笑顔を楽しむために働くのが仕事です。
(阿部奈々)