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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

関西の食文化を支える 大阪地ソース粉もん処
株式会社和泉食品 代表取締役社長 南三津雄

 
プロフィール 大阪府出身。1929年、大阪市浪速区で祖父がソース本舗和泉屋を創業。2代目にあたる父が松原市に拠点を移し1988年に(有)和泉食品へ、1996年に(株)和泉食品へと組織変更し、3代目として地ソースやミックス粉の事業を拡大・維持し続けている。息子が始めたサッカーをきっかけに現在は指導員を務め、妻とはゴルフを楽しむなどスポーツマンでもある。仕事と遊びを両立させた充実した毎日を送っている。【ホームページ
 
 
 
お好み焼きやたこ焼きといった“粉もん”は、大阪の食文化に欠かせない。その材料となる地ソースやミックス粉を3代にわたって製造して販売するのが、大阪府松原市に拠点を置く株式会社和泉食品だ。いかにして半世紀以上、地元に愛され、発展し続けることができているのか。秘訣は、「味に究極はなく、味と共に歩む」という社訓が示している。伝統と改革、その両方を実践している3代目、南三津雄代表取締役社長に話をうかがった。
 
 
 

創業50年以上の大阪地ソース粉もん処

 
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インタビュアー 原田伸郎(タレント)
原田 大阪府松原市に拠点を置く和泉食品さんは、お好み焼きやたこ焼きに使われる地ソースやミックス粉を製造販売されている老舗だそうですね。
 
南 1929年、祖父が浪速区で創業した店が始まりです。その後、2代目の父が松原市に移店させて以来、50年以上が経ちます。株式会社化してからは第2工場も新設するなど、ご愛顧いただいてきたおかげで事業も大きくなりました。現在は、焼肉やしゃぶしゃぶのたれ、ポン酢、柚子ソースなども手がけています。
 
原田 半世紀以上の長い歴史があるうえに、幅広い調味料を手がけておられると。そもそも大阪は、地ソースの会社が多いですよね。
 
 ええ、大阪の食文化ならではですね。組合に入っている会社だけでも10社はありますし、大手以外にもたくさんありますよ。以前は路地に一軒お好み屋があると、それに応じてソース会社も一社あるほどでした。飲食店さんはそれぞれ味に敏感で、「ソースならこれ!」というこだわりがあるため、良い意味での競争がうまれて地ソース会社が大阪に広まったという背景があるんです。