
インタビュアー 狩野恵輔(野球解説者)
北村 身体の不調がある部分をさわってみると、筋肉が硬くなっていることが多いです。一般的には、その筋肉をほぐすためにマッサージなどの施術をしますよね。ただ、それはあくまで部分的なもので、身体は脳から神経的な指令を受け、理由があって硬くなっているのです。硬くなった一部分をほぐしても、神経系の伝達回路が改善されていないと、脳は「ここはまだ硬いんだ」と認識しているので、結局、その筋肉をまた硬くする元の身体に戻ってしまいます。
狩野 なるほど。だから施術で一時的に回復しても持続せず、また痛みが発生するケースがあるんですね。
北村 ええ、マッサージなどの施術に限らず、湿布やコルセット治療などでも同様です。最終的には、筋肉をはじめとするさまざまな組織を制御する「神経伝達」の異常が改善されなければ症状は変わらないのです。神経整体では、痛みの原因となる部分を緩めるだけでなく、眠っている神経細胞にもアプローチします。具体的には原因となる部分にそっとタッチするだけです。ただ、どこをどう施術すれば効果的かという部分については、知識を持っていなければできません。それには、理学療法士としての経験が役立っています。

北村 そうですね。神経整体の効果として、体性神経のほか、集中力とパフォーマンスをアップする作用のある交感神経と、リラックスや回復の役割を果たす副交感神経それぞれを同時に高める点が期待できます。実年齢に関係なく、その方の神経伝達スピードを10~20歳代のレベルまで引き上げることが可能と言われていて、さらなる研究が進められているところです。