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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

馬術競技者が自らつくる オーダーメイド馬具工房
TanoMake株式会社/Amuleto de Oro 代表取締役社長 渡邉麻奈

 
プロフィール 東京都出身。CGやプログラミングを学びゲーム会社や玩具会社で企画やデザインに携わる。その後、建築・インテリアを学びインテリアデザイナーとしても活躍。旅先で馬に魅了され趣味で馬術を始めると、競技で使用する道具にこだわるために馬具を自作するように。競技仲間からの依頼が増えたことからオーダーメイド工房「Amuleto de Oro」をオープンし、2019年にはオーダーメイド文化の素晴らしさを広げるためオーダーメイド特化型オンラインマーケット「TanoMake」を立ち上げた。【ホームページ
 
 
 
「幼い頃から、欲しいものがあれば自分でつくってきた」と話す、TanoMake(タノメイク)株式会社の渡邉麻奈代表取締役社長。乗馬体験をきっかけに競技馬術を始め、従来の馬具に不満を抱いた際も「自分でつくる」という選択肢がすぐに頭に浮かんだという。「個に寄り添うものが増えれば、世の中がもっと楽しくなる」。そう語る渡邉社長に、馬主として馬が着用するメンコのデザインにもこだわるタレントの矢部美穂氏が話を聞いた。
 
 
 

馬との出会いから制作活動がスタート

 
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インタビュアー 矢部美穂(タレント)
矢部 オーダーメイドで馬具や雑貨を制作・販売する「Amuleto de Oro(アムレトデオーロ)」と、オーダーメイド特化型オンラインマーケット「TanoMake」を運営するTanoMake株式会社さん。私は競走馬の馬主をしています。渡邉社長は競技馬術をされているそうですね。
 
渡邉 仕事に熱中しすぎて体調を崩しがちだった頃、旅先で出会った馬に癒されたことから乗馬を始めたんです。乗馬クラブに通って5ヶ月で障害馬術の競技会デビューし、1年たらずで国体予選にも出場しました。もともとスポーツが好きでしたし、動物に好かれやすい体質で、馬とすぐに仲良くなれたことが早く上達できた理由だと思います(笑)。
 
矢部 競技を始めたことが、一点物の馬具をつくるようになったきっかけでしょうか。
 
渡邉 はい。馬具は輸入品が主のため日本で入手できる種類が少なく周囲と被るので、油性ペンで持ち主の名前を書かされるんです。私はそれが嫌で(笑)。せっかく買った道具はかっこよく使いたいし、自分らしさを出したいので、もともとデザインや商品企画に携わっていた経験から自然と自分でつくろうと考えました。最初は刺繍によるカスタマイズや、手編みや縫製で馬具を1から自作することからスタート。その後、木工・金工・特殊印刷などの業務用機材を幅広く使用できる日本最大のシェア工房がオープンしたのを機に、次々と技術を学びライセンスも取得し、幅広い加工ができるものづくりのプロフェッショナルへと転身できました。