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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

地図とIT技術で多様な
社会問題の解決を提案

 

地図を使った社会的な問題解決の提案

 
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鈴木 五本木社長はもともと地図がお好きでこの会社に入られたんですか?
 
五本木 いえ、実は会社に入るまでは地図には詳しくなく、専門的な地図はほぼ見たことがなかったんですよ。私が入社した当時は、紙の地図が全盛期でした。都市計画のための地図や、土木工事などの際に地盤を調べるための地質図、環境調査のための植生図など、数多くの専門的な地図が新しく生まれ、更新されていったんです。また、陸上の地図だけでなく、海や空の分野でも地図も取り扱うようになりました。
 
鈴木 陸だけでなく、海や空の地図まであるんですか。
 
五本木 例えば空ですと、日本の空域を表した空港のターミナルエリアチャートというものや、騒音の影響範囲などをシミュレーションするための図などですね。また、海ですと、各国のEEZ、つまり排他的経済水域や領海を表したもののほか、離島などの自治体が管理する海域の境を表したものなどがあります。
 
鈴木 本当にさまざまな分野の地図があるんですね。そういった地図製作は、並大抵の技術ではできないと思いますよ。
 
五本木 ありがとうございます。技術面で言えば、アナログの時代、弊社は地図をつくるための専門性や特殊な技術によって業界内で優位に立っていました。しかし、現在はデジタル化されて、地図の表現を自由に変更したり、必要な情報を自由に取捨選択できたりするようになり、用途や目的に応じて使いやすく、手軽につくれるようになっています。そのため、技術的な優位はほぼなくなりました。ただ、お客様がどのように地図を使えば最適な効率化が図れるかというノウハウについてはこれまでの多くの蓄積があります。そこで、現在は地図をつくることよりも使い方のご提案や、地図を使った社会的な問題解決をご提案するような仕事に変わってきたんです。
 
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鈴木 時代の変化に合わせて、事業内容も変わってきたわけですね。
 
五本木 はい。この先、さらに超高度な情報社会となり、AIやIoTといった技術が生活様式の変化に寄与していくでしょう。そうした中で、地図による情報が大きな役割を果たすと考えています。弊社が空間的な位置情報やその活用方法を提供することで、社会のさまざまな問題を解決するための糸口になれば幸いです。そのような空間情報についてのビジネスにも、新たに力を入れていきたいですね。
 
鈴木 空間や位置を把握するというのは、野球にも通じるものがありますね。私は現役時代、ボールを打ったらどこに飛ぶかという空間認知能力をとても重要視していました。例えばボールをダイビングキャッチして取るのは、一見すれば派出でカッコいいプレーではあるものの、上手とは言えないんです。なぜなら、最初からボールが飛ぶところを空間的に把握して守備位置についていれば簡単に取れるわけですからね(笑)。それにしても、平面的なイメージのある地図のノウハウを活かして、空間的な情報も提供するのは、とても画期的な取り組みだと思いました。