未来につなげる印刷素材で
社会に役立つ製品を開発
台風にも耐える、紙を超えた新素材

染野 主成分は炭酸カルシウムとポリプロピレンです。炭酸カルシウムとは天然の石灰石のことですね。ポリプロピレンよりも含有量が多い構成になっているので、焼却時の二酸化炭素の発生が少ないとされています。
鎮西 ということは、自然環境にも優しい素材なんだ。
染野 ええ、「私たちのような会社でも、SDGsに貢献できることはないか」と考えて開発された素材を用いた製品ですからね。自治体からは環境保全の観点からも高く評価していただき、東京都中央区の職員災害用ポケットガイドに採用されました。
鎮西 連絡先リストの記入欄がありますね。こんなにツルツルなのに鉛筆で記入できるのですか?
染野 よければ試してみますか?
鎮西 ではさっそく・・・おぉ! 普通の紙よりも書きやすいくらいです!
染野 しかも、ストーンシートは耐久性や耐水性にも優れているので、水害や台風で水に浸かっても破れにくいです。そこも災害用ガイドに採用された大きな理由でしょう。実は昨年2019年の台風の際には、暴風雨で壊れてしまった掲示板の中で、このストーンシートを使用したポスターだけが唯一無事だったということもありました(笑)。

染野 ええ、例えばこちらの商品は、ソーシャルディスタンスを保つための誘導シール、そしてこちらは靴置きシートです。足元から侵入するといわれる雑菌に対しても、このシートなら安心してご使用いただけます。
鎮西 宿泊施設や商業施設、学校、幼稚園、病院などさまざまな場所で活用できそうですね。
染野 今年7月の熊本豪雨の際には、この靴置きシートを1000枚ほど支援物資として送らせていただきました。避難所で少しでも感染症対策として安心して過ごしていただきたいと考えて寄贈したんです。
鎮西 お話を聞くごとに、今までの紙とはまったく違うものなんだなと感じます。
染野 だから名称もストーンシートなんです。紙ではないので「ストーンペーパー」ではなく「ストーンシート」という名称になっています。