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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

玄関先に楽しさもお届け
運送のエンターテイナー

 

外箱まで含めて顧客の大事な荷物

 
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石黒 「いろいろな方に喜んでもらえる宅配業者」という目標は、私も素敵だなと感じました。法人化してから、村田社長のお仕事に対する心境に変化はありましたか?
 
村田 私自身、ようやく人生のビジョンが見えてきたと感じています。運送業界に入る前は、不動産の営業や飲食店、鮮魚店などでも働いてきました。いろいろな職業を経験する中で、「外で動き回る仕事が自分に合っているな」と感じて、この業界に入ったんです。そして現在は、今までにないほど大きなやりがいを得ながら働くことができています。
 
石黒 どんなところにやりがあるのか、ぜひ教えてください!
 
村田 それは、荷物を受け取ったお客様が喜んでくださる姿ですね。以前、玄関でお荷物をお渡ししてドアを閉めた直後、ドアの向こうから「やったぁ!」と大喜びされるお客様の声を聞いたことがあるんです。その時は私も嬉しかったなぁ。多くの方々の大事な荷物を運ぶこの仕事をやっていて、本当に良かったと、心の底から思いましたよ。
 
石黒 よほど待ち遠しかったんでしょうね! お客さんのリアクションに直接触れられるのは魅力だと思います。私もコンサートなど、ファンの方々の反応をダイレクトに感じられる機会が大好きでした。自分の仕事への充実感も得られますよね!
 
村田 そうなんですよ! これだけ満足感のある仕事は、私の人生でも初めてです(笑)。
 
石黒 村田社長のイキイキとした様子から、宅配のお仕事の魅力が伝わってきますよ! ただ、最近はECサイトの利用者が増えて、宅配業界には「ハードな仕事」というイメージを持たれがちになったとも聞いています。
 
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村田 おっしゃるとおりですね。私がこの仕事を始めたばかりの頃にはすでに、業界の一部では「いかに早く配達するのか」を重視する風潮がありました。一日に何個の荷物を配達したかを仲間内で自慢するなどですね。私も最初のうちは、荷物を雑に扱うことに疑問を感じながらも、スピードこそお客様がお求めになっているものなんだと勘違いしていました。
 
石黒 その意識が、働く中で次第に変化していったと?
 
村田 ええ。どれだけ早くお届けしても、また、荷物の中身が無事だったとしても、箱が少しでも傷んでいたらお客様は暗い顔をされます。その表情を見て、私はハッとしました。自分がお客様の立場でも、箱が潰れてしまっていたらショックだろうなと気付けたんです。以来、外箱まで含めてお客様の大事な荷物だという意識で配達を行っています。