
インタビュアー 宮地真緒(女優)
板花 捕鯨会社に勤めている幼なじみがいましてね、くじら肉を食べる機会があったんですよ。そのあまりのおいしさに感動して、もっとくじら肉を世の中の人に広めたいと思いました。そのため、くじらのことを深く知る必要があると思い、調査捕鯨船の乗組員になったんです。
宮地 すごいバイタリティ! 調査捕鯨船の仕事って長期間帰ってこられないんですよね?
板花 ええ。南極と北西太平洋までの航海が年に2回あって、一度の航海に4ヶ月かかるので、年間で8ヶ月以上は自宅を留守にしていましたね。船ではくじらの解体から急速冷凍されて、製品化されるまでの工程を3年間にわたって学びました。その後、当店をオープンしたんです。
宮地 くじらのことを知り尽くしたうえで開店なさったんですね。お店にはくじらのグッズがたくさん並んでいて、ギャラリー的な雰囲気もあって楽しいです。販売品はお肉だけでなく、お弁当などもあるそうですね。
板花 はい。くじら肉のステーキや唐揚げなどを販売していて、イートインコーナーもあるんですよ。宮地さんはくじら肉を食べたことがありますか?
宮地 はい。お刺身を食べたことがあります。でも、臭みが強く感じて、あまり好きになれませんでした。
板花 そうでしたか。それではこちらのミンククジラ赤肉とニタリクジラの頭肉の刺身を召し上がってみてください。
宮地 ありがとうございます。いただきます! えっ!? 前に食べたのと違って、このお刺身は全然臭みがないです! 頭肉も霜降りの牛肉みたいで、とてもおいしい!
板花 これこそが、本当のくじらの味なんですよ(笑)。私は一人でも多くの方に、くじらの真のおいしさを味わってほしい。それでこのお店を開いたんです。

調査捕鯨船の乗組員時代
板花 らじっくのくじら肉がおいしいのは、くじらのことをよく知る私の手によって、最適に管理されているからです(笑)。くじらは解凍方法が難しいですし、鮮度が落ちると臭いが強くなってしまう。今はくじら肉の正確な取り扱いを知らない人が、売り手側にも多くなり、鮮度を保ったおいしいくじら肉の提供が難しくなってきているのが現状です。なので、当店の商品は、購入してすぐ召し上がっていただいたときに、一番おいしい状態になるよう常に管理しています。