都市ガス、オール電化などの生活燃料の中でLPガスは、環境負荷が少ないうえ、長期間の保存も可能。災害時にも活躍する利便性の高い燃料だ。長年にわたり神奈川県愛甲郡や厚木市、相模原市でLPガスを扱ってきた有限会社熊坂商店の熊坂功代表取締役は、神奈川県LPガス協会厚木支部の支部長も務める人物。LPガス普及のために、そして地元住民のために尽力している。
4代続く銘茶の老舗

インタビュアー 杉田かおる(女優)
熊坂 はい。創業時よりお茶を扱っています。今は静岡県藤枝産の煎茶を中心に、「健康茶」や「抹茶ラテ」「抹茶サイダー」といった変わり種も扱っています。当初は農業を営むかたわら、お茶や駄菓子の販売をしていたんです。それに加えて3代目だった私の父がLPガスの販売も始め、現在に至ります。
杉田 お茶の香りに包まれて毎日働いているなんてうらやましいです。それにしても、お茶とLPガスでは、扱い方が全く違うと思います。先代はどのようなお考えでLPガス販売を始められたのでしょう。
熊坂 お茶の販売や農業に従事していると、閑散期の売り上げが減少します。そこで先代が着目したのがLPガス販売だったんです。当時はまだ薪や石炭、練炭を生活燃料として使用する家庭が多く、都市ガスへの切り替えが少しずつ進んでいた時期でした。ただ、ここ愛川町は相模川と中津川という2つの川に挟まれた地域であるため、ガス管が延伸できず、LPガスの需要が見込まれたのです。
杉田 なるほど。この地域だからこそ、LPガスの販売に目をつけたと。先代は先見の明があったのですね。