株式会社宮地鉄工所は、2018年で創業100年を迎える老舗の鉄工所だ。鍛造業界の中でも、秀でた技術を持つ同社を頼る顧客は、後を絶たない。そんな同社の技術を継承しながらも旧体制を改善し、若手が働きやすい次世代の企業へと改革を推し進めているのが、3代目代表取締役社長の宮地大輔氏だ。同社がどれほどの技術を要し、いかにして改革を進めているのか、熱く語ってもらった。
乗り物において重要な部品を鍛造

インタビュアー 水野裕子(タレント)
宮地 ここ30年で、世の中も業界も大きく変わったと感じますね。例えば我々の業種である鍛造業はもともと知る人ぞ知る世界ですが、現在は代用される技術の発展もあり、認知度はさらに低くなったと感じます。それでも、世の中を支えているこの仕事に、誇りを持っています。というのも、弊社が手がけているのは鉄道の台車部品や転てつ部品、バス、トラックなどの車軸安定化装置であるスタビライザーなど。万一このスタビライザーが折れたら、車軸は不安定になって、操縦困難になってしまう。つまり、私たちは乗客の命を支える、絶対に壊れてはいけない重要な部品をつくっているわけです。
水野 へぇ~、私たちが安心して電車やバスに乗れるのも、宮地鉄工所さんのような会社のおかげなんですね! となると、世の中への貢献度と認知度が比例していないですね。この機会に、鍛造業や宮地鉄工所さんのことを、ぜひ知りたいです。