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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
プロフィール 福島県出身。日本生命獣医科学大学卒業後、製薬会社に就職し、薬理研究に従事。その後、大手化学メーカーの製薬部門へ転職。産学連携の共同開発パートナーである大学の研究室に出向し、新薬開発を担当した。在籍中に、活性化リンパ球療法に出会い、その研究を進めるために仲間と共に独立するも、関連法の規制により断念。その技術を獣医学の世界で生かそうと、2005年(株)ケーナインラボを設立した。
 
 
 
飼育環境が大きく変化し、ペットの寿命が飛躍的に延びていくいっぽうで、加齢による癌や肥満などの生活習慣病も増えているという。家族同様に可愛がっているペットたちが、病で苦しまないためにも、予防獣医学の考え方は必須であると指摘するのは、株式会社ケーナインラボの代表取締役・山口智宏氏。同社が研究開発し、普及を進めている遺伝子レベルでの検査や治療法を取り入れることで、病気の早期発見や治療も可能だと語った。
 
 
 

遺伝子レベルの検査で動物の病気を早期発見

 
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インタビュアー 宮地真緒(女優)
宮地 動物医療分野における、最先端のお仕事をされているとお聞きしました。具体的には、どのような業務内容なのでしょう?
 
山口 メインの業務としては、全国の動物病院から委託を受け、遺伝子レベルの検査を行っています。たとえば、大切なペットの身体に発生したイボの組織から遺伝子を抽出して検査し、それが癌なのか、そうでないのかを解析したり、さらに、そのイボが癌の場合は特効薬があるので、その薬が効くのかどうかに至るまで、遺伝子レベルで判断します。ウィルス感染症の検査なども行いますよ。遺伝子レベルの検査となりますから、かなり精度の高い検査結果が得られます。
 
宮地 私の飼っている犬も一度、そういった検査を受けたことがあります。おかげさまで、何でもなかったのですが、もしかしたら、山口社長のところに検査が回ってきたかもしれませんね。
 
山口 可能性はあります。現在、全国で述べ約800の動物病院からご依頼をいただいていますからね。最近では、ペットの飼育環境の変化による長寿化に伴い、人間同様に加齢による生活習慣病や肥満、癌などが増加しているんです。私は、正確な検査結果は、大切なペットが抱える病気の早期解決に繋がると思っています。