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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

 
プロフィール 福岡県出身。工業高校を卒業後、上京して精密測定機器メーカーに就職。日中の勤務のかたわら、工学系の知識を得るために夜学へ通っていたが、学業を優先するべく退職し、アルバイトで学費を稼いで学校を卒業した。その後に勤務した精密測定機器メーカーの元上司が起業する際に誘われて転職。以後、定年まで勤め上げた。退職後の2011年、経験とノウハウを元に(株)白山システムを設立し、現在に至る。
 
 
 
産業機械による大量生産が当たり前になった現代、私たちの身のまわりの製品は 「規格」 に沿って作られている。しかし機械とてパーフェクトではない。時として生じる厚みや寸法のわずかな誤差を発見するのが、株式会社白山システムが開発・製造する測定機器だ。製品の品質は目に見えないミクロン単位のずれをチェックできるかどうかにかかっている。つまり同社は、エンドユーザーである私たちの生活品質をも守っているのだ。
 
 
 

機械分野での立身を志して東京へ

 
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インタビュアー 川村ひかる(タレント)
川村 川添社長は福岡県の出身でいらっしゃるそうですね。
 
川添 はい。福岡の田舎で生まれ育ちまして、中学卒業後は工業高校に進んで、採鉱や鉄鉱石精錬の勉強をしたんですよ。
 
川村 現在手がけられている精密測定関連とは違う分野ですよね。鉄鋼とか石炭の方面に進まれなかったのは、なぜなんですか?
 
川添 炭坑はすでに斜陽産業でしたし、中学時代に肋膜炎を発症してから重労働を禁止されていましたから。でも、一番の理由は物作りが好きだったからです。鉄道模型や真空管式ラジオを作ったり、父親のバイクを分解したり、とにかく機械をいじるのが好きだったので、物作りの分野に進みたいと考えたんです。
 
川村 なるほど。それで、工業高校を卒業した後は、ご希望の仕事に就いたんですね。
 
川添 はい。おかげさまで東京のメーカーに就職できまして、精密測定機器に関われるようになりました。ただ、入社したまでは良かったのですが、専門知識がなかったことで、同じ高卒でも知識のあった同期に大きく水をあけられましてね・・・。当時は相当悔しい思いをしました。
 でも、だからといって負けを認めたくありませんでした。それで、知識を身につけるために、工学系の夜間の専門学校に通いはじめたんです。