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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

「来てもらえる薬局、
出向く薬剤師」

 

薬局が淘汰される時代も自信と誇りで挑戦

 
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タージン その結果、必要な人に医療が届かなくなると本当に困りますよね。
 
山西 実を言うと、2045年には薬剤師が12万6000人も過剰になると言われています。実際、このあたりもコロナ禍で業績を落とした店舗も多く、将来性を感じず嫌になって薬局を手放す経営者や、経営がままならなくなった薬局のM&Aも増えており、すでに淘汰される時代に入ってしまっています。薬剤師も患者様に寄り添えず、ただ調剤するだけの薬剤師は淘汰されると思います。
 
タージン それほど影響が大きいんだなぁ。でも、大手ドラッグストアで、調剤を手がけるお店は増えてきている気もします。
 
山西 ドラッグストアは、店舗全体の客数と利益確保を増やすために調剤薬局を併設していっています。勤めている薬剤師も会社員化する場合も多く、ドラッグストアが増えても薬局や薬剤師の質が高まるわけではありません。業界にとってマイナス面も大きいと思います。
 
タージン 薬は私たちの必需品なのに、なかなか切実なお話ですね。
 
山西 2025年以降は団塊の世代が後期高齢者になり、社会保障費もますます医療費によりかさむようになります。そこで「どこかを削らなければ」と、調剤薬局を減らす動きが業界からも取り上げられています。知り合いのしっかり取り組みをされている薬剤師や薬局の経営者との会食する機会があり、その時のメンバーの誰もが「自分の子どもは薬剤師にしたくない」と声をそろえるほどで、薬剤師の将来性を不安視しているのだと感じました。
 
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タージン そのような状況の中、山西社長はどのような姿勢で挑戦するおつもりでしょう。
 
山西 私たちは、「弊社の薬局が潰れるならどの薬局も潰れる」と言い切れる自信と誇りを持って仕事に取り組んでいますし、患者様にどこまでも真剣に寄り添っているつもりです。他人ではあるものの、来ていただいている患者様に対して家族が病気になったときのように「何とか治してもらおう、良くなってもらおう」と、業務中や業務外にスタッフとミーティングを行うなどしています。
 
タージン 先ほどのお話にあった、わざわざ遠方からお越しになる患者さんは、御社のそういった姿勢や、質のいい調剤をしてくださるという事実を理解して通ってくださるのでしょう。その評判が、口コミで広まって患者さんが増えている様子が手に取るようにわかりますよ。
 
山西 ありがとうございます。タージンさんがおっしゃるとおり、私たちは地域のみなさまの健康に全力で奉仕することが使命だと考えていますし、地域にもっと評価されるように質で目立つ薬局にしていきたいです!