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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

土地家屋調査士の技術で バーチャルツアーも制作
AIOI-OFFICE/土地家屋調査士 平沼康宏事務所 代表 平沼康宏

 
プロフィール 滋賀県出身。小学校3年生のときに父親が新興住宅地の一角に土地を購入し家を建てるも、その住宅地一帯が悪質な造成業者によってつくられた欠陥地域であることが判明。その経験から、不動産に興味を持ち、大学卒業後は不動産会社に就職した。その後、物件の売買だけでなく、不動産で悩む人に寄り添いたいという思いから測量士と土地家屋調査士の資格を取得し独立。最近は測量の知識と技術を活かし、バーチャルツアーなど新たなサービスにも力を入れる。【ホームページ
 
 
 
土地・建物の形状や境界を測り図面に残す職人。それが土地家屋調査士だ。AIOI-OFFICE(アイオイオフィス)と土地家屋調査士 平沼康宏事務所を運営する平沼康宏代表は、子どものころに住んでいた地域に重大な欠陥があり苦労した経験から「不動産で困っている人を助けよう」と決意。現在は土地家屋調査士、測量士の技術を活かし、3D画像によるバーチャルツアー「ブロッコリーVR」の撮影も手がける。この新たなサービスの魅力や測量に懸ける思いをうかがった。
 
 
 

不動産に強くなるため土地家屋調査士に

 
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インタビュアー 亀山つとむ(野球解説者)
亀山 土地家屋調査士と測量士の資格を持ち、京都市山科区でAIOI-OFFICEと土地家屋調査士 平沼康宏事務所を運営する平沼代表が、いわば不動産のプロとして活躍し独立するまでの歩みを詳しく教えてください。
 
平沼 私が小学3年生のときに父が土地を買い念願のマイホームを建てました。その土地は、もともと山だったところを切り崩して造成された新興住宅地の一角でした。ところが、後になって、その住宅地を造成した会社は工事の際に書類を偽造し、自社のものでもない土地も含めて勝手に造成し販売していたことが判明したんです。衝撃的な話ですよね。そのため、その住宅地は法務局の登記と現地の権利関係が一致しない“地図混乱状態”となり、境界紛争が多発しました。中には、住まいが完成した後で本来の地主と名乗る方からから「出ていってくれ」と言われた方もいらっしゃったそうです。
 
亀山 そんなことがあるんですか!? そのとんでもないご経験が、不動産に興味を持ったきっかけだったと・・・。
 
平沼 ええ、「不動産に強くなろう」と決意し、大学を卒業して不動産会社に就職しました。ただ、不動産会社は土地や建物の売買が仕事。私は、父と同じように不動産で悩みを抱えている方を助けたかったんです。そこで宅地建物取引士に加え測量士と土地家屋調査士の資格を取得し、経験を積み、2018年に独立を果たしました。