治らない病気や治し方がわからない病気のことを難病と呼ぶ西洋医学に対し、東洋の中国伝統医学である中医学では治るが時間がかかる病気のことを難病という。中医学を深く学び、さらに現代人を取り巻く社会環境などの要因も考慮し施術にあたる、しるべ鍼灸治療院の院長・鶴田直己氏。難病へのアプローチ術を応用し、身体のメンテナンスや美容まで幅広く対応している。日々研鑚を重ねる鶴田院長の熱い思いをうかがった。
治療家の道を選び、さらに学び続ける

インタビュアー 八木裕(野球解説者)
鶴田 学生時代まで野球に打ち込んでいまして、高校卒業後は一般企業に就職したんです。そちらでも野球を続けていましたが、プロになるのは難しいことを悟り、治療家の道に進むことにしました。それで、4年間勤めた会社を辞めて専門学校に通い、柔道整復師と中医学の勉強もさせていただきました。中医学というのは簡単に言うと、中国古来の鍼とお灸を駆使した治療法のことです。柔道整復師の学科では幸い主席を取ることができまして、学校から鍼灸の学科もあることを教えていただき、そちらでも勉強をしたんです。
八木 すごいですね! 首位打者を取ってメジャーリーグに行くような感じでしょうか。
鶴田 鍼灸に上がってからは東洋医学、中医学をメインに勉強していまして、学校の授業では限界があるので整骨院で働きながら休みの時に難病専門の鍼灸院に研修生として通っていました。
八木 難病というのは、病院でも直すのが難しいと言われている病気ですね。
鶴田 実は日本と中国では難病の定義が異なるんです。日本は治らない病気、治し方がわからない病気が難病と言われますが、中国では治るものの時間がかかる病気を難病と言います。西洋医学は目で見えるものや、数値でわかるものに対応するのがメイン。一方で中医学はなぜこの病気になったのかということを、データ以外の体質や性格によって探り出すことができます。そうした知識と技術を身に付けて、独立をしました。
八木 中医学を学ばれている方は少ないのではないかと思います。遠方から鶴田院長を訪ねて来られる方もいらっしゃるんじゃないですか。
鶴田 ええ、鹿児島から青森まで、全国各地から足を運んでいただいています。