
インタビュアー 畑山隆則(元ボクシング世界王者)
北岡 私の学生時代は映画『Shall we ダンス?』がヒットし、テレビ番組でも『ウリナリ芸能人社交ダンス部』が盛り上がるなど、社交ダンスが一大ブームになった時期でした。私としても、豪華客船で男女が踊ったり、海外のセレブパーティーなどで社交ダンスを踊る映画のワンシーンを目にしたりするたびに、非日常的な時間を楽しめる華麗な社交ダンスにだんだんと魅了されていきまして。「自分もそういう場でダンスが踊れたらかっこいいな」という憧れを抱いて、大学では社交ダンス部に入部したんです。やがて競技ダンサーになるより、人にダンスの魅力や楽しさをお伝えする立場として講師を務めたり、ダンスパーティーなどのイベントを企画したりすることにやりがいを感じ、コーチの道へ進みました。それで、2009年2月に当スタジオをオープンした次第です。
畑山 満を持して独立したきっかけは、なんだったのでしょうか。
北岡 実を言うと、14年前に離婚して3歳の息子を育てる父子家庭になったんです。息子から目を離すわけにはいかないので、コーチを務めていたスタジオへ連れて行くうちに、生徒さんから「現実を忘れようとして社交ダンスを楽しんでいるのに、子どもがいると日常に引き戻されてしまう」と苦情がありオーナーからも嫌がられるようになってしまったんです。そこで、自分の力でスタジオを経営しようと覚悟を決めて独立しました。
畑山 それは大変な思いをしましたね。でも、息子さんもすっかり成長したのでは?
北岡 ええ、高2になった息子は、今ではきちんと女性をリードできるほど立派な技術を身に付けてくれました。でも興味はヒップホップにあるようで、今はブレイクダンス部で活躍しています(笑)。

北岡 確かに畑山さんのおっしゃるとおりですね。ところが、生徒さんの多くは普通の主婦やOLさんなんですよ。女性が日頃の疲れやストレスから解放され、踊っている間は誰でもシンデレラになれるのが社交ダンスです。私は競技会に挑戦したいという方から、健康維持が目的の方まで、一人ひとりの目的やレベルに合わせたレッスンをご提供しています。