93年の歴史を持つ子ども用着物の会社

インタビュアー 濱中治(野球解説者)
齊藤 弊社は1929年に祖父が創業し、今年2022年ですでに93年の歴史を持つ会社なんですよ。2代目の父は別の関連会社も経営していたので、私は大学を卒業するまで名古屋で暮らしました。もともと体を動かすのが好きで野球やサッカーに熱中していたこともあって、当時は体育教師を目指していたんです。ただ、両親から「斉藤商店の後継ぎに」という望みを感じ取ってこの業界へ入り、京都に来てから着物の染色会社で修業を積んだんです。
濱中 京都ならではの文化に驚くことも多かったのでは?
齊藤 ええ、京都には空気を読む文化が根付いていますよね(笑)。着物業界は特に人間関係が重要で、本音と建前を使い分けたり、相手が本当に言いたいことを読み取ったりする必要があるんです。若い頃は言葉の裏に隠された意図をつかむのも大変でした。でも、人から信用してもらえるようになると、この苦労もいい勉強になったと感じますね。