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ノウハウ 明るい我らに仕事あり vol.17 “心機一転”の落とし穴 明るい我らに仕事あり 株式会社武蔵野 代表取締役社長

ノウハウ
 
 こんにちは、小山です。4月になりましたね。お花見、新入社員、新たな第一歩・・・このシーズンにはフレッシュなイメージがありますね。株式会社武蔵野も心機一転、ますます躍進してまいりたいと思います。ところで、この「心機一転」という言葉。皆さんはどのような心境、心理状態だとイメージなさいますか? 白紙に近い状態で新たな歩みを進めるというイメージでしょうか。実は、このイメージが、このシーズン一番の落とし穴になるのです。それを彷彿とさせる相談が寄せられていますので、ぜひ一緒に考えてみてください。まずはこちらから。
 
 
【相談ケース33】 手帳で仕事に差をつけたい
 
小山社長、初めまして。私は営業職に携わって4年目になります。今年度は会社からの期待も高まっていると感じており、私自身も勝負の年度になると考えております。そこで心機一転、真っさらな気持ちで営業成績をグンと伸ばすために、まずは身近なツールから、具体的には特に手帳から見直そうと思っております。そこでぜひ、仕事ができるようになる手帳はどのようなものか、その選び方、使い方はどのようなものかを、ご指南いただけないでしょうか。(26歳 会社員・男性)
 

過去は大事な財産

 
 まず質問ですが、昨年まで使っていた手帳は、今、手元に残っていますか?
 「真っさらな気持ちで」とありますので、おそらく残っていないでしょう。さぞ気持ちいいと思いますよ。新しい手帳を買ってきて、何もない白紙のページに予定を書きこんでいくのは。・・・しかし、実はこの時点で大部分の人が手帳の使い方に躓いているのです。
 手帳を更新する際に一番大事なものは昨年の手帳です。どの人も、およそ85%以上は昨年と同じことをして1年が過ぎるもの。よほど環境変化の大きい転職をしない限り、4月は入社式があり、ゴールデンウィークは休みになるなど、1年の流れが変わるわけではないのですね。ましてや同じ部署にいたら、お客様だって変わってはこないでしょう。
 大事なのは、次の月の予定を立てる際に、昨年こなしたスケジュールを新しい手帳にも書きとめることなのです。何もないところから新しいことを考えることはできません。「昨年はこれをこうやったんだな。ここがまずかったようだから、今年はこう対処してみよう」などと、昨年の反省をしながら予定を書き込むのです。それが正しい手帳の活かし方なんですよ。
 スケジュール欄だけでなくメモ欄にも、「連絡は前もって」とか「お礼状を出す」とか、昨年より発展的な行動の目標を書き込んでいくのです。それは当然、昨年の動きを元にしないとできませんよね。
 
ではここで、今回の「小山昇の結論」
 
 過去を切り離して、いきなり新しい自分になることはできません。いえ、それができたとしても、むしろすべきではないのです。過去はあなたの財産です。過去の蓄積の上に今日がある。過去は今日の自分を諌め、指南してくれる大事な友達なのです。ちなみに、手帳を選ぶポイントは週間の予定を見開きで見ることができるものがベストです。人間の生活は週単位ですから。月で振り返り、週でさらに細かく振り返る。1年はその連続だと心得てください。
 
 
 
【相談ケース34】 経営コンサルタントの選び方は?
 
いつも楽しく拝読し、勉強させていただいております。実は昨年、とても運が悪いと感じる年でした。厄年だったからかなとも思っていますが、今年はいい運気をつかんで、仕事運を上げたいところです。「順調に発展していく企業の経営者は運気も味方につけている」と、どこかで聞いたことがあるのですが、小山社長はどのようにして幸運を味方につけているのですか?(34歳 会社員・女性)
 

運のいいやつ悪いやつ

 
 この世の中に運の悪い人というのは基本的にいないというのが私の考え方です。もちろん環境的に恵まれないとか、もともとハンディがあるといったことは人によって異なるでしょう。しかし、運は同じだと思っているのです。
 私はよくパチンコに行くのですが、目の前に2つのパチンコ台があったとしましょう。ひとつは大当たりする台で、もうひとつは負けてしまう台です。大当たりする台を選んだら運がいい、反対の台なら運が悪い。おそらく多くの方がそう考えるのではないでしょうか? 
 しかし、この考え方が間違っています。そもそも勝てる可能性がある台が目の前にあるわけですから可能性は50%もあるわけですよね。すでに運があるわけです。本当に運がなければ可能性は0%でしょう? ではその50%をより高めるためには何が必要か。それは「実力」なんです。データをとり、勝てる台を見極める。正しい選択をする実力がないから負けるだけなのです。
 大事なのは、自分がなぜ失敗したかという疑問を常に持ち、仮説を立てて挑戦することなんですよ。もともと運はあるもの。でも、運だって、人を選びます。掴んでくれる人とそうでない人だったら、掴んでくれる人に寄り添うに決まっています。仕事だってパチンコだって、何も考えずに運任せで行動したところで、運が上がっていくわけがないんです。
 
ではここで、今回の「小山昇の結論」
 
 世の中には様々な開運法があると思いますが、一番の開運法は努力。工夫することです。努力と工夫をしたら、必ず運は引き寄せられます。もともと持っている運気をさらに上げていくことができるのです。深呼吸をイメージしてください。まずは息を吐ききらないと、体の中に新しい空気が入ってこれないでしょう? 努力して自分の中にあるものを全て出し切ること。そうすると空っぽになったところに、運気と結果が入り込んでくるものです。頑張ってください。GOOD LUCK!
 
 
 さて、春先の“心機一転”問題、皆さんはどのように感じましたか。過去にせよ、運気にせよ、恋人のようなものです。きちんと受け止めて努力してあげないと、離れて行ってしまうんです。努力すると、ちゃんと甘えてくれる。そのうえで、万人共通でもうひとつだけアドバイスをしましょう。過去を省みず、努力をせず、愚痴や文句を言う人のもとへは成功はやってきてくれません。あなたが恋人を選ぶなら、どんな人を選びますか? それがわかれば大丈夫ですよ。 
 
 
 
 
 明るい我らに仕事あり ~お悩みビジネスパーソンの駆け込み寺~
vol.17 
“心機一転”の落とし穴 

 執筆者プロフィール  

小山昇 Noboru Koyama

株式会社武蔵野 代表取締役社長

 経 歴  

1948年、山梨県生まれ。東京経済大学卒業。1964年に日本サービスマーチャンダイザー(株)を設立し、ダスキンの都内加盟店第一号となる。1987年、(株)武蔵野に社名を変更。以来、元暴走族の社員を抱え「おちこぼれ会社」と揶揄されていた同社を優良企業に育て上げ、2000年には(財)日本生産性本部より「日本経営品質賞」を受賞した。他にもダスキン顧問(1990~1992年)、また全国の経営者でつくる「経営研究会」も主催し、ビジネスの世界におけるメッセンジャー的な役割を担う。現在は社長業と並行して日本経営品質賞受賞の軌跡や中小企業のIT戦略、経営計画書づくり、実践経営塾などをテーマに年間240回以上のセミナーで全国を回り、テレビを含め各メディアからも注目を集めている。

 オフィシャルホームページ 

http://koyamanoboru.jp

 
 
 
 

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