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ノウハウ 明るい我らに仕事あり vol.1 目標も競争も、見直し! 明るい我らに仕事あり 株式会社武蔵野 代表取締役社長

ノウハウ
 
 こんにちは、小山昇です。前回まで1年間、「自ら働き、自ら楽しむ」 と題したコラムを連載していましたが、なんと今回から新シリーズに突入いたします。題して 「明るい我らに仕事あり」。今回のシリーズは、読者の皆さんが普段お悩みになっていることを一緒に考え、解決していくためのもの。私も新しい発見ができるのではないかとワクワクしています。ではさっそく始めましょう。
 
 
【相談ケース1】 20代半ばにして目標がなくなってしまった!
 
 新卒で入社して3年目、成績もそれなりに上がるようになってきました。最初のうちは少しでも早く会社に貢献し、世の中のために役立てるようにと考えていたのですが、落ち着いてくるにつれ、どうにも目標がなくなってしまって。今やモチベーションもあまり上がらないのですが、どうしたら再びやる気になれるでしょうか。(26歳 会社員・男性)
 

働く動機は不純で結構!
マジメすぎるのも考えもの

 
 なるほど。きっとあなたはマジメが度を越してしまっているのでしょうね。きちんとした目標を持つことも大事なのですが、働く動機まで 「マジメ」 になりすぎてはいませんか。実はモチベーションの源となるものは不純な考えでいいんですよ。給料を高くもらえるようになってもっと派手に遊びたいとか、かっこいい車を買ってキレイな女の人を乗せたいとか。それは仕事とは関係がないと思われるかもしれません。でも、実はすべて自分への投資なんです。
 これは以前我が社にいた20代半ば (あなたと同じくらいの年ごろですね) の社員の例なのですが、やはり貯金ばかりしていた男がいました。どうして遊ばないんだと聞いたら、「病気になったときに困るから貯金をする」 と言う。結果、その社員は本当に病気になってしまい、治療のために貯金を使っていました。これはお金を使う目的が病気そのものになるので、勝手に病気を引き寄せてしまうことになる。そんなこと、ばかばかしいじゃないですか。
 私も若い頃に貯金はしていましたよ。新宿の歌舞伎町にね(笑)。飲み歩いてばかり、形のないものにばかりお金を使っていました。それでいいんです。「清く正しく美しく」 などと考えていたらモチベーションは上がらない。自分の欲望に忠実に、自分のやりたいことのために働く。それがまっとうな人間の道というものです。
 
ではここで、今回の 「小山昇の結論」。
 
 「人生を楽しみたい」 と考えましょう。そのためにお金を使うと楽しみが向こうからやってくるものです。人生を楽しんでいなければ、当然目標も見失いがちです。会社のために仕事をするのではなく、あなた自身のために仕事をしてみてください。
 
 
 
【相談ケース2】 部下が優秀すぎて、追い越されないかとヒヤヒヤ!
 
 現在、数名の部下を抱えて管理職の仕事をしています。最近では弊社も採用に力を入れていて、部下の大半は優秀な人ばかり。学歴もそうですが、自分の若い頃と比べると、その優秀さは雲泥の差なんです。だから、彼らが成長するにしたがって、自分より上の立場になってしまうんじゃないかと不安でたまりません。周囲に相談しても「それは嬉しい悩みだ」としか言ってくれないし・・・。正直、部下たちの才知が怖いです。(33歳 管理職・男性)
 

追い抜かれたっていい!
背伸びして無理するな

 
 これは会社の人材配置にも問題がありそうです。野球でもそうですが、4番バッターばかりが集まっても優勝できません。ある程度能力の差がある人間をバランスよく配置しなければ居心地が悪くなるものなのです。そこをわかっていない上層部にまず私は 「NO」 をつきつけたい。同時に、あなたに対して言えることは 「何も恐れる必要はない」 ということ。1000ccのエンジンを積んだ車と5000ccのエンジンを積んだ車、ヨーイドンで走らせると、5000ccのほうが速いに決まっています。はっきり言って勝負になりません。
 追い抜かれたっていいじゃないですか! もし会社が、あなたのいる部署を5000ccクラスがひしめきあう直線レースの主戦場にしたければ、あなたの闘う場はそこではない。もしかするとあなたは小回りが利く1000ccかもしれませんから、そうなるとサーキットよりも町の裏路地を走り抜けることのほうに優れたセンスを発揮するかもしれない。フェラーリで細い路地裏を走るのは至難の業ですが、軽自動車ならばスイスイでしょう? そうした適材適所への配置がなされるかどうかは、さらに上の幹部職に経営センスがあるかどうかにかかっていますが、もしなければそれはあなた一人が悩む問題ではありません。
 むしろダメなやつしかいない会社に行って、上に立てばいいんですよ。給料なんて2割も違いやしないんだから。私なんか、最初からその考えでいましたからね。自分が力を発揮できて、自分よりダメなやつしかいなさそうな会社を探した。それが実は武蔵野だったのですけどね(笑)。
 
 
ではここで、今回の「小山昇の結論」。
 
 あなたはあなたの力量に見合った実力を必ず備えています。無理して自分の排気量を上げようとしなくていいのです。無理して背伸びをするから、オーバーフローしてしまい、リタイヤすることになってしまう。鶏頭牛尾の考えでいきましょう。
 
 *
 
さて、新シリーズ第1回目に登場したお二人は、今後どうなっていくのでしょうか。ぜひ朗報を聞きたいものですね。12月、年の瀬ということもあって、慌ただしい毎日になるでしょうから、皆さんくれぐれもお体には気を付けてください。ではまた来月、お会いしましょう!
 
 
 
 
 
◆ご質問大募集◆
小山昇氏にご相談したい皆さまからのご質問を募集しています。仕事での悩み、人間関係での困り事、「人生」への葛藤など、編集部までどしどしお寄せください。
 
  応募先: info-k@business-plus.net
  件名は 「小山コラム応募」 とお願いいたします。
 
 
 
 明るい我らに仕事あり ~お悩みビジネスパーソンの駆け込み寺~
vol.1 目標も競争も、見直し!

 執筆者プロフィール  

小山昇 Noboru Koyama

株式会社武蔵野 代表取締役社長

 経 歴  

1948年、山梨県生まれ。東京経済大学卒業。1964年に日本サービスマーチャンダイザー(株)を設立し、ダスキンの都内加盟店第一号となる。1987年、(株)武蔵野に社名を変更。以来、元暴走族の社員を抱え「おちこぼれ会社」と揶揄されていた同社を優良企業に育て上げ、2000年には(財)日本生産性本部より「日本経営品質賞」を受賞した。他にもダスキン顧問(1990~1992年)、また全国の経営者でつくる「経営研究会」も主催し、ビジネスの世界におけるメッセンジャー的な役割を担う。現在は社長業と並行して日本経営品質賞受賞の軌跡や中小企業のIT戦略、経営計画書づくり、実践経営塾などをテーマに年間240回以上のセミナーで全国を回り、テレビを含め各メディアからも注目を集めている。

 
 
 
 

 

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