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旅人を優しく癒す天然温泉
文人墨客が愛した秘湯の宿

 
 

◆自然湧出の100%天然温泉

 
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大浴場入り口。古色蒼然とした佇まいが歴史を語る
 お風呂は混浴の大浴場 「法師乃湯」、内湯と野天風呂を備えた総檜造りの 「玉城乃湯」、女性専用の内湯 「長寿乃湯」 の3つ。このうち法師乃湯と長寿乃湯は、浴槽の底がそのまま源泉になっている自然湧出の温泉なのです。敷き詰められた玉石の間からポコポコと湧き出す豊富な湯は、無色透明のカルシウム‐ナトリウム硫酸塩泉。ポンプなどは使用せず、加温や加水、循環も一切なし。純度100%の贅沢な温泉に浸かれば、心も体も芯から癒されます。

 明治28年に完成した法師乃湯は、木造建築に大きなアーチ型の窓を付けた、和洋折衷の鹿鳴館風建築。まだJRが国鉄だった時代の “フルムーンキャンペーン” のポスターにもなったあのモダンな温泉といえば、思い出す人も多いのではないでしょうか。
 3つのお風呂と本館の屋根は、古色蒼然とした杉皮葺き。杉皮は一度葺いても10年しか持たず、質の高い皮を入手するのも大変なことだそう。しかし、「古いものの良さを伝え、守っていきたい一心で続けています」 と語ってくれたのは、宿の常務・岡村国男さん。緑に苔むした長寿館の屋根は周囲の山々と一体となり、旅人の心を深い静寂へと誘ってくれます。
 

◆基本を大事にしたおもてなし

 
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内庭から別館を望む。各部屋に灯りがともり、おもてなしの賑わいが聞こえてくる
 長い歴史を持つ宿だけにリピーターも多く、3世代でひいきにするお客様もいる長寿館。岡村さんは、「温泉と自然を大切にし、従業員一人ひとりが心を込めたおもてなしをする。当たり前のことを当たり前にするのが大切で、特別なことは何もしていないんです。もし私たちが手を緩めれば、お客様にすぐわかってしまうでしょう。基本を大事にしなければ満足していただくことはできません」 と語ってくれました。

 特に、貴重な自然湧出の温泉は守り抜かねばなりません。長寿館の周囲の山は一面の落葉樹に覆われていて、この木々が地面に雨水を溜め、50年、60年かけて温泉となり湧き出ているといいます。「山を大事にしないと温泉も枯れてしまうこともあるでしょう。湧出量に見合った浴槽で、自然のままの温泉を末永く守っていきたいと考えています。温泉があってこその長寿館なのですから」 (岡村さん)。

 春の若葉模様から冬の銀世界まで、四季おりおりの山の表情で旅人を包み込んでくれる法師温泉。あなたも、しばし日常の喧噪を忘れに出かけてみませんか。
 
 
 
 
  法師温泉 長寿館
TEL 0278-66-0005
〒379-1401 群馬県利根郡みなかみ町永井650 (関越自動車道月夜野ICより車で約40分)
http://www.hoshi-onsen.com/
http://oarmug495.blogspot.com/
 
 
 
 
 

 

 

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