鈴木アシュラフの駅そば行脚 File.31
つゆの東西、選べます! ~綱島駅「めん亭四季」~
東急東横線綱島駅は急行が停車する重要な駅で、乗降客数も多いのだが、駅前にロータリーが整備されていない。駅を出ると、すぐに狭い路地が網の目のように張り巡らされた商店街になる。人々の息吹がひしひしと伝わってくる、活気に満ちた街だ。西口出口脇にある「めん亭四季」は、まさにこの脈動するような街の雰囲気にマッチした駅そば店である。
この店では、つゆを2種類用意している。関東風と関西風だ。客が好みに応じて選択できるシステムになっている。食券を出すときにどちらにするかを聞かれる。店の内にも外にもその旨を記した貼り紙類が掲げられていないため、知らずに入店した人はちょっとビックリするかもしれない。
今回は、初めて関西風にチャレンジ。見るからに、色が違う。この店の関東風のつゆはかなり色が濃く、味も濃いのだが、関西風は器の底が見えそうなほどに色が薄い。しかし、味が薄いわけではない。塩気はほどよく、出汁もツンと香る。関東風のコクと余韻はないものの、スッキリとして爽やかな風味だ。その日の気分によって、また自分なりに各メニューとの相性を考えて、つゆを使い分けてみるといいだろう。
温もりを感じる佇まい。立ち食い専門店だ。
かきあげそばを、関西風で。(420円)
執筆者プロフィール
鈴木 アシュラフ 弘毅(すずき・あしゅらふ・ひろき)
プロフィール 1973年、埼玉県生まれ。中央大学文学部卒業。小学生時代から一人で暖簾をくぐっていた、筋金入りの駅そば好き。これまでに巡った店は、1200軒以上。「美味い・早い・安い」のみならず、地域や店舗ごとに個性を発揮している駅そばは、没個性の世の中に一陣の風を吹き込む存在であると考え、日夜を問わず全国を駆け巡る。著書に、『「駅そば」読本』(交通新聞社)がある。
速報!
1月22日金曜日、TBSテレビ「新知識階級 クマグス」にアシュラフ氏が出演します。深夜24:40から繰り広げられるマニアックな「駅そばトーク」に、乞うご期待!



