鈴木アシュラフの駅そば行脚 File.19
生産者の顔が見える駅そば ~金沢文庫駅「えきめんや」~
金沢文庫駅改札外にある「えきめんや」は、店舗ごとの個性が光るチェーンの中でもとりわけ個性が強い店舗だ。
まず、精算システムが変わっている。最初にベースになるメニュー(かけそばや冷やしうどんなど)を注文し、その上にセルフサービスでトッピングを乗せ、最後にレジで代金を支払う。讃岐うどんのセルフ店舗流の精算方法だ。このシステムには、同じ具のトッピングでもどれにするか自分で選べるというメリットがある。
さらに、この店のトッピングは、ただのトッピングではない。食材の生産者情報を開示しているのだ。たとえば、なす天のなすは「千葉県香取市の灘岡さんが有機農法で栽培したもの」といった具合だ。
これらの情報を得て、さらに実物を自分の目で確認し、納得した上で選べる。こだわりぬいているだけに、値段は若干高めの設定になっているが、安全・安心の対価と考えればお釣りが来る。「食の安全」が注目される時代のニーズをうまくとらえたサービスと言えるだろう。

店頭に、生産者情報を表示する看板が出ている。

かけそば+なす天+いんげん天で、合計460円。
執筆者プロフィール
鈴木 アシュラフ 弘毅(すずき・あしゅらふ・ひろき)
プロフィール 1973年、埼玉県生まれ。中央大学文学部卒業。小学生時代から一人で暖簾をくぐっていた、筋金入りの駅そば好き。これまでに巡った店は、1200軒以上。「美味い・早い・安い」のみならず、地域や店舗ごとに個性を発揮している駅そばは、没個性の世の中に一陣の風を吹き込む存在であると考え、日夜を問わず全国を駆け巡る。著書に、『「駅そば」読本』(交通新聞社)がある。



