鈴木アシュラフの駅そば行脚 File.01
駅そば新時代到来の予感 ~東京駅「越後そば」~


近年、「エキナカ」が大きく変わってきている。今やほとんどすべての用事をエキナカで済ませられる。業種が多彩であるだけではなく、ファッショナブルな店舗も多くなってきた。この潮流に伴って、駅そば事情にも変化が現れている。かつてよく見られた、野ざらしの立ち食いカウンターのみの店は、今や首都圏では少数派。明るい店内で、椅子に座って、洒落たBGMを聞きながらそばをすするという店が多くなってきている。
その代表格が、東京駅東西自由通路(地下)にある「越後そば」だ。受け渡しカウンターは通路に露出しているが、食べるスペースは奥にあり、もちろん椅子付き。ガラス越しに道行く人々を眺めながら、心静かにそばを食べられる。この店のそばは、味覚だけでなく視覚にも訴える。大きさを誇示するかのような、堂々たるかき揚げ。プリプリしたワカメの食感も、コシのある麺によく合い、相乗効果を生む。写真は、かき揚げそば430円。
執筆者プロフィール
鈴木 アシュラフ 弘毅(すずき・あしゅらふ・ひろき)
1973年、埼玉県生まれ。中央大学文学部卒業。小学生時代から一人で暖簾をくぐっていた、筋金入りの駅そば好き。これまでに巡った店は、1200軒以上。「美味い・早い・安い」のみならず、地域や店舗ごとに個性を発揮している駅そばは、没個性の世の中に一陣の風を吹き込む存在であると考え、日夜を問わず全国を駆け巡る。著書に、『「駅そば」読本』(交通新聞社)がある。



