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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

精神科医療の枠を超え
地域で自立をサポート

 

心の問題に悩む当事者の医食住の受け皿に

 
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水野 さまざまな活動の中で、例えばMARSさんではどのような障がい者福祉事業を行っているのでしょう? 
 
肥田 事業所名に「メディカル アンド リカバリーサービス」という意味も込めており、精神科で医療を受けた当事者の方々をリカバリーする事業を行っています。具体的には、「医療・福祉関係支援事業」「出版および企画開発事業」「人材開発・研修支援事業」「不動産業務事業」「食品販売・カフェ経営事業」の5つの事業領域で就労支援をしています。実はMARSのパンフレットも、利用者の皆さんが自分たちで作成したんですよ。
 
水野 かわいいデザインのパンフレット! 具体的な就労先の職種も掲載されていますね。書籍、印刷物の企画制作や経理業務など、職種のバリエーションもさまざまです。軽作業中心のイメージがあったので驚きました。この事業をすべて、MARSとして行っているのですか?
 
肥田 不動産業務などMARSとして行っているものもありますし、co opusで就労移行トレーニングをした方がハローワークを経て就職するケースもあります。また、外部提携企業先に就労する方もいますね。そのほか、お好み焼き店「焼麦太郎」を運営する合同会社WARP(ワープ)からは、材料の仕入れや仕込み作業などの委託を受けています。
 
水野 ここまで職種が多彩だと、自分の適性に応じた仕事に就けそうですね。ちなみに不動産業務はどんなことをなさっているんでしょう。
 
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肥田 主に賃貸物件の管理などをしています。その住宅に住む当事者の方も多いんですよ。衣食住はとても重要ですからね。この近隣だけでも約180名の方が住んでおり、別の地域から引っ越してこられた方も珍しくありません。
 
水野 それだけ他のエリアでは心の問題に悩む方々へのサポート体制が整っていないということですよね。心の病に悩む皆さんが、仕事と同じくらい不安を感じやすい住居問題もクリアされているとは。宙麦会さんは、医療に仕事、そして住まいも併せて、当事者の方の生活全般の受け皿になっていると感じます。
 
肥田 皆さんのリカバリーのため、これからも宙麦会全体で支援に取り組みたいと思います。