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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

諦めない心と代替医療で
がんの克服に魂を込める

 

患者の考えや都合に最大限配慮する

 
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石黒 最近私は骨髄バンクについて個人的に詳しく知る機会がありました。その時、適合するドナーが見つかったのに、移植前の検査で体調に影響が出て、結局手術ができない患者さんがいるとわかったんです。
 
前山 白血病の患者さんですね。骨髄移植手術に向けて抗がん剤を投与し、白血球を一時的にゼロにします。いわば菌に対して無防備な状態にするわけですからね。そこを乗り越えられる確率は、私の感覚では50%と、意外とハードルが高いんですよ。
 
石黒 私はドナーが見つかればすぐに移植できると思っていたので、実はそうでないことを知ってすごくショックを受けました。病気と闘うのって本当に難しいことだと実感しています。
 
前山 外科的に対処できるがんだったとしても、心臓や腎臓に問題があって全身麻酔をかけられず、手術ができないというケースもあります。ただ、末期でも助かる例が出てきているのも事実で、私の臨床でも、肺腺癌というやっかいながんに関しての治療例が出てきているんです。
 
石黒 それは希望が湧いてきますね。
 
前山 そうですね。だから可能性があるのなら、諦める前にチャレンジすべきだと私は思います。私は手術療法、化学療法、放射線療法というがんの三大療法を否定する気はありません。ただ、その王道的な方法がだめでも、諦めるべきではないと思うんです。
 
石黒 私もとても共感します。そんな前山院長が、医師というお仕事で大事になさっていることは何でしょうか?
 
クリニックの受付の様子
クリニックの受付の様子
前山 患者さんを優先することです。病院の医療って、例えば入院の計画にしても、医師の都合で決まることが少なくありません。でも私は、最大限、患者さんの都合に合わせたいと考えています。通院回数を減らすなど、負担も極力減らす方針です。
 
石黒 病気だけでなく、「人を診るんだ」という思いを感じますね。
 
前山 その通りです。当院では他の医療機関と並行して通院していただいても、セカンドオピニオンとして利用していただいても構いません。診療に関しても十分に理解できるような説明を心がけますし、一度話を持ち帰って、じっくりと考えていただいても大丈夫です。患者さんの意思を第一に考えますよ。
 
石黒 そのような姿勢は、患者さんと二人三脚で病気を克服するためにも大事ですね。