川上　スタッフの痛みをご自分のものとする、素晴らしい教育体制だと思います。
 
竹下　ありがとうございます。叱ることなく、成功したら褒め、失敗したら教えるように努めています。会社全体としては、お客様に喜ばれる対応をしたスタッフがいれば、その内容をメールで共有し、翌日には全員が同じ対応をできるよう、さらなる向上を目指していますよ。
 
川上　御社ほど社員教育に力を入れている警備会社があるとは知りませんでした。失礼ですが、あまり教育熱心な業界ではないようなイメージがあって。
 
竹下　教育にはあまり熱心ではない会社もあるようです。このことは、同業として悲しく思うこともあります。例えば、道路工事によって車が渋滞するか否かは、警備員の技量によって変わってくるんです。こうした交通誘導警備は一見すると地味ですが、自分の動きによって状況が変わる仕事ですから、やってみるとおもしろいですよ。私は警備業務の中で、一番好きですね。
 
川上　竹下社長の警備の仕事に対する情熱が伝わってくるお話です。社内教育の講師はどなたがやるんですか？
 
竹下　基本的には教育資格者が行い、実践的なことは、先輩が後輩に教えますね。交通誘導に必要な特殊技術の指導やお客様との接し方まで、あらゆる状況に対応できるような力を養ってもらっています。指導そのものは、教える本人がその分野のスペシャリストでなければいけないので、後輩の成長だけでなく、教える側も成長が見込めます。あと、スタッフに仕事への自覚を強め、自信と誇りを持って働いてもらえるような意識の向上のため、資格取得も奨励しています。今はやはり、資格の時代ですからね。
 
川上　「企業は人なり」という言葉を思い出します。手厚い社員教育は、御社の大きな強みになっているでしょうね。