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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

自分らしく思いのまま
終末期を過ごせる場所

 

患者の心に寄り添うサポートを

 
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杉田 これまでの大井代表のお話を聞いていると、とても強い使命感のようなものを感じます。
 
大井 はい。先ほども言ったように、私は両親共にがんで亡くしています。あとで「もっとしてあげられることがあったはず」と、とても悔やみました。ですから、ほかにも同じように悩んでいるご家族のためにも、患者様の気持ちに寄り添ったケアをすることが私の使命だと考えています。
 
杉田 とてもよくわかります。私も母を自宅で看ていたときは24時間ずっと一緒でしたから、だんだんと「喉が渇いているな」とか「横になりたいのかな」とかわかるようになったんです。そして、それが“寄り添う”ことだと気付きました。患者さんの気持ちになってみると、いつも自分を見守ってくれる人がいるだけで、病気の苦しみも軽減されるような気がしますね。
 
大井 おっしゃるとおりですね。私もここで働くスタッフには、患者様とそのご家族に常に寄り添うことの大切さを伝えています。ですから、もし患者様が「眠れない」とおっしゃれば、お部屋に行って安心して眠れるまで話し相手になってあげたいとも思っているんです。
 
杉田 そうした気遣いこそが、まさに人に寄り添うことですよね。最近、将来的に介護事業にAIが活用されるなどの話も良く耳にします。でも、それで人の心が通ったサービスや、患者さんの気持ちに寄り添ったサービスが提供できるのか、疑問に思うところもありますよ。
 
大井 そうですね。作業を効率化させるだけが、必ずしもより良いケアに結びつくわけではないと思います。特にこの施設にはご自分の病気をよくわかっている方や、先が長くないことを悟っている方も多く、みなさんが死の恐怖と常に闘っています。もちろん、「自分はもう先が短いんだからどうでも良い」とマイナス思考になっている方も中にはいらっしゃいます。それでも、周囲のみなさんがおいしそうに食事をしたり、楽しそうに笑ったりする姿を見ていると、次第に気持ちも明るくなってくるんですよ。
 
杉田 確かに、患者さんにとって自分と同じような境遇の方が、思いっきり人生を楽しんでいる姿を見るのは、とても良い刺激になりそうですね。
 
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大井 そうなんです。以前、余命数ヶ月と宣告された患者様がいて、最初は自暴自棄になっていたんです。でも、可愛がっていた甥っ子さんが結婚することになり、式に出席したいという目標ができると、みるみるうちに元気になっていきました。ついには自分の足で歩いて結婚式に出て、引き出物を持って帰ってきましたよ(笑)。
 
杉田 とても素敵なお話です! やはり、生きようとする気力は気持ち次第なんですね。
 
大井 ええ。最期まで人生を楽しんでいただけるよう、患者様の心に寄り添いながら、これからも全力でサポートしていくつもりです。
 
杉田 お話をお聞きすればするほど、この施設をもっと早く知っていればという思いが強くなりますよ! これからも多くの患者さんとご家族のみなさんの力になってくださいね。私も応援しています!
 
 
 
「仕事を楽しむ」とは‥
患者様の気持ちに寄り添い、そして患者様の笑顔を見るのが、私にとっての楽しみです。たとえ苦労があったとしても、患者様は私にとっての家族だと思って接しているので、どんなことでも尊く思えるんですよ。
(大井真澄)
 
 :: 事業所概要 :: 
  ■ 事業者名 はなみずきの家
■ 川越事業所 〒350-1126 埼玉県川越市旭町2-16-37
■ 浦和美園事業所 〒336-0967 埼玉県さいたま市緑区美園5-35-1
  ■ 社名 有限会社Song・of・Heart
■ 本社 〒350-1122 埼玉県川越市脇田町22-2
  ■ 社名 合同会社はなみずき
■ 本社 〒350-1122 埼玉県さいたま市緑区美園5-35-1
■ 事業内容 終末期専用賃貸住宅・訪問ヘルパーステーション運営
■ 設立 平成17年6月
■ 従業員数 30名
■ ホームページ http://hanamizuki-home.com/