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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

人を思いやる和の心で 
子どもたちを育む保育園

 

子どものためにはしっかりと叱る

 
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名高 久富代表の理想とする保育園が、まさに和ごころ保育園だったわけですね。ポイントは、やはり“和”にあるのでしょうか。
 
久富 そうですね。でも、この和は、ただ協調性を養うことだけを指しているわけではありません。子どもたち一人ひとりが自分の意思を持ったうえで、他者を思いやったり、人に寄り添ったりする心を持つことの大切さを教えています。
 
名高 なるほど。子どもたちが言われるがままではなく、自ら進んで他者を思いやるように促すと。
 
久富 はい。最近の教育では、自由や個性を尊重することが求められていますよね。それはもちろん大事です。でも、子どもの頃から、友だちや他者を思いやる力を伸ばすことも必要なんです。人は自分のためだけでなく、誰かのために何かを成し遂げたときにこそ、幸せを感じられるのではないかと私は考えています。ですから、和ごころ保育園では子どもたちの個性を伸ばしながら、同時に協調性を育むことにも力を入れているんです。
 
名高 それは素晴らしいお考えだと思います。しかしそれは、子どもたちに言い聞かせて教えてあげるだけでなく、さまざまな経験を通して自分で気付かせてあげることも重要になってきますよね。
 
久富 おっしゃるとおりです。子どもたちが大人になったときに「あの出来事があったから、今の自分がある」と思えるような経験をたくさん積ませてあげること。それが大人の役割だと思います。特に保育士は、保護者の方と同じくらい子どもたちと一緒にいる時間が長いのですから、その責任は重大ですね。
 
名高 子育ての仕方も昔とは大きく変わりましたよね。久富代表は、現代に合わせた保育を実践していらっしゃるように感じます。
 
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久富 そうですね。現在は保育園で子育てをするのが当たり前の時代になりました。お預かりしたお子さんと、責任を持って向き合うことが保育園には求められていると思います。ただ「子どもたちに楽しいことをさせました。子どもは喜びました」という保育を繰り返しているだけでは、子どもたちもかわいそうですよね。
 
名高 子どもたちをただ預かるだけではなく、きちんと育てていく責任があるわけですね。和ごころ保育園さんが日々どのように子どもたちと向き合っているのか、具体的に教えていただけますか。
 
久富 現在の保育園は子どもたちを叱りにくい場所になっています。しかし、当園では子どもが悪いことをしたらその原因を探り、良いことと悪いことを伝えながら、きちんと叱ります。そして良いことができた時には抱きしめてしっかり褒める。このバランスが大事です。悪いことはたくさんしていいと思います。良い子になるにはまず悪いことをしなくっちゃ。しっかり褒めてしっかり叱る。保育士は子どもたちにとって親の代わりなのですから、そうすることが愛情であり、子どもたちとの信頼関係を築くことでもあると思うんです。また、保育園は人間形成に一番重要な時期を、親に代わって養育しています。一人ひとりの子どもの将来までしっかりと見据え育てていかないと。そのうえで立派な大人になってもらいたい。そこまで考えるべきではないでしょうか。