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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

世界に誇る明石鯛の味を
全国の家庭に届けたい

 

7000日以上の経験で培った競りの目利き

 
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畑山 竹野社長は、先代と血縁関係がないのにも関わらず代表を任されたとうかがいました。
 
竹野 ええ。家族代々で続く店の多い市場では前例のないことで、2016年に先代から話をいただいたときは、誰よりも私がびっくりしました(笑)。
 
畑山 それまでは、竹野社長も従業員だったわけですよね。先代はどこを見て、竹野社長を跡目にされたのだと思いますか?
 
竹野 個人的には、従業員時代から自分が経営者のつもりで行動していた点が評価されたのだと思っています。でもそれは、個人の裁量に任せてくれる、先代の懐の深さがあってのことと今でも感謝しています。
 
畑山 素晴らしい“親子”関係だ。個人の裁量といいますと、やはり「競り」に関してですか。
 
竹野 ええ、店を左右すると言える大事な仕事です。どんな魚が水揚げされるかは、そのときにならないとわからず、しかも1つの商品につき3秒、4秒で競りが終わることもあるので、集中力も求められます。買値は指の形や動きで提示するので、私は「すれ違った車のナンバープレートの数字を瞬時に表す」という修業で鍛えましたね(笑)。
 
畑山 ボクシングさながらの、刹那的な勝負なんだ! しかも瞬間的に、魚の質も見極めるわけでしょう?
 
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竹野 そのとおりです。高い買値をつけて欲しいものをゲットすれば良いわけではないので、目利きが重要なんですよ。例えば、出品側が「この鯛は活きが良くないな」と判断しても、実はそのときに大人しいだけで元気な場合もあります。そこを見極めれば、活魚だった場合の半額で仕入れることができ、より安い値段でお客様に提供できます。
 
畑山 いかにも勝負師といった感じがして、とてもかっこいいですね。それだけ目の利く方が代表を務める店なんだから、吉市水産さんが扱う魚の質にも信頼がおけます。
 
竹野 ありがとうございます。でも、私自身はまだまだだと思っていますよ。常識だと思っていたことが突如通用しなくなりますし、予測できないことも起きる。今日あることが明日なく、明日あることが明後日ない業界です。業界入りして20年、7000日以上働いていますが、毎日新人のつもりで、気を引き締めています。