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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

地域の住みよい暮らしを
建設の仕事で支える

 

守りたいとの一念で苦境を乗り越えた

 
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川上 まず小林土建工業さんの沿革から教えてください。
 
小林 創業は1963年で、自宅敷地内のプレハブ小屋から父が発足させました。やがて従業員の方も増え、公共工事を手がけるようになったことで、株式会社として法人化。それが1976年で、当時、私は5歳くらいでしたね。
 
川上 ということは、小さい頃から先代のお仕事ぶりを間近で見てこられたんですね。それで、自然と跡を継ぐことを意識されたと。
 
小林 それが、私が好きだったのは裁縫で、短大も被服科に通っていたんですよ。卒業後もアパレル企業に就職するつもりでした。しかし、条件面で父を説得できず、博物館の展示解説員として働きました。
 
川上 あら、建設業とはずいぶん無縁な道ですね(笑)。では、先代のもとで働くようになったきっかけは何だったのですか?
 
小林 博物館の方針で非常勤職員の任期に上限ができ、それに伴い退職することになりまして。それで、個人的にパソコン教室に通っていると、父から「ちょっと仕事を手伝ってくれないか」とお願いされたんです。私は、「ちょっとなら」のつもりだったのですが、仕事には入札など重要な業務も多く、本腰を入れざるを得ませんでした。ちょうど、業界でもITを活用する時代になっていましたからね。
 
川上 そうやって、「ちょっと」が「どっぷり」になっていったんですね。
 
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幅広い依頼に応え、地域の信頼を集めている
小林 はい。その後、2010年に父が他界し、私が代表取締役に就きました。突然だったこともあり、仕事の引き継ぎもままならない状態の船出でしたね。五里霧中の中を手探りで進む毎日でした。
 
川上 ずいぶん心細さを味わったと思います。そうした状況で、なぜ今日まで頑張ってこられたのでしょうか?
 
小林 父の会社をなくしたくない、従業員の方々の生活を守りたい、という思いがあったからです。その一念が、苦境を乗り越えることができた何よりの原動力でしたね。
 
川上 守りたいとの気持ちを強く持ったのは、小林社長が誠実だからでしょうね。それに、やはり先代の仕事ぶりを、最後まで見てこられたからこそだと思います。今日まで立派に会社を守ってこられて、先代もとても喜んでいらっしゃいますよ!