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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

一流シェフをうならせる 
東京品川の老舗製麺会社

 

品質を維持しつつ独創的な麺をつくる

 
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杉田 御社では、大手製粉会社とタイアップして商品開発もしているとか。また、橋爪社長は中華料理チェーンを運営する外食企業の製麺工場に招かれてアドバイスをしたこともあるほど、技術力を評価されていると聞きました。
 
橋爪 私は麺とアートに共通項があることを見出し、“ヌードルアーティスト”を名乗っていましてね。「絵を描くのと同じように、イメージを具現化する」ことを意識して麺づくりに臨んでいるんですよ。
 
杉田 麺のアーティストって、発想がユニークですね! そういえば、柚子や山椒などを練りこんだ興味深い麺がたくさんあるとうかがっています。
 
橋爪 ええ。私は麺料理において麺は脇役と考えているので、主役であるスープやパスタソースの旨味をさらに引き出せるような麺づくりを心がけています。大事なのは、料理人が情熱を込めてつくったスープやパスタソースなどと、うまく調和が取れる麺をつくることです。例えば小麦の分量が少ない麺だと、スープなどに麺が溶けて味に濁りが出てしまう。ソースや出汁の旨味が絶妙な加減で麺に入り込むことで、麺料理は一段とおいしくなるんです。
 
杉田 旨味をしっかりと舌に運んでくれる麺なら、最後までおいしく味わえますね。
 
橋爪 全体の見栄えを美しくすることにもこだわっています。おかげさまで「麺線がキレイ」だと、料理人の方々からご好評いただいており、光栄に思っています。
 
杉田 味だけではなく、見た目の印象なども考えた麺づくりに励んでいらっしゃるなんて、さすがです。とても繊細な技術が必要なのでしょうね。製麺は手作業なのでしょうか?
 
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彩り豊かな練りこみ麺。取り寄せ注文も可能
橋爪 驚く方が多いのですが、素材の分量計算にはパソコンを使っています。レシピを数値化し、「この数値ならこの味が出せる」と味に根拠を持たせることで、品質の維持や後進への伝承も行いやすくなりますからね。私にとっての麺づくりは、自分のイメージを数値として出力し、理想の味に近づけていく作業なんですよ。
 
杉田 なるほど。継続的な出荷を考えると品質の維持は必須ですものね。
 
橋爪 おっしゃる通りで、最高の品質を変わることなく提供できるか否かが重要なんです。もっとも、試作品をつくるときは経験や感覚もフル稼働させますよ。
 
杉田 橋爪社長のアイデアと理論的な製麺技法の2つが合わさって、他では成しえない上質のオリジナル麺ができあがるのでしょうね。
 
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蒸し鶏の葱まみれ温麺(ゆず麺)
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究極の極細麺を使った香港式の焼きそば(香港麺)