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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

日常にビッグデータ活用
エンジニアのSES派遣も

 

ビッグデータは日常生活をもっと便利にする

 
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 人材難がそこまで深刻とは知りませんでした。
 
星野 エンジニアの絶対数が足りないことと、企業とうまくマッチングする仕組みがないことが重なって、優秀な人ほど過酷なハードワークを強いられているんですよ。それと、会社設立の動機はもう1つあります。ゲーム会社にいた頃から温めていた、ビッグデータの幅広い活用に事業として挑戦したかったんです。
 
 正直、ビッグデータについては漠然とした知識しかなくて、それがゲームとどう結びつくのかも想像がつきません。
 
星野 ゲームの中でも、私が深く関わっていたのは、ソーシャルゲームやオンラインゲームといった分野です。これらはパソコンやゲーム機、今だとスマートフォン上でゲームをプレイしながら、提供元のサーバーとデータのやり取りをする仕組みになっています。そうすると、どのアカウントがいっぱい課金してやり込んでいるのか、どんなアイテムを集めているのかといったことが、全てデータベースで確認できるんですね。
 
 なるほど、そうしたデータがまとまれば、ユーザーの好みや遊び方の特徴も見えてくる。まさにビッグデータですね!
 
星野 そうなんです。データは個人情報とも結びついていますし、悪用しようと思えば出来てしまう点を懸念しつつ、私が当時気になっていたのは、ゲーム内で使える仮想通貨も武器などのアイテムも、あくまで疑似的な価値にとどまっていて、もしデータが消えてしまったら、サービスが終了したら、それでおしまいという点でした。そうではなく、蓄積された膨大なデータがリアルな社会で何かのサービスを向上させるとか、業務の効率化に役立つといった使い道がもっとあるんじゃないか。そんな考えがずっと頭の中にあって、今回の起業につながりました。
 
 ビッグデータと聞いて僕が最初に思い当たるのは、スポーツの世界で、サッカーや野球の試合中のデータを解析して提供している会社も有名になりましたよね。
 
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星野 サッカーの場合なら、例えば元日本代表監督の岡田武史さんも、オーナーを務めるFC今治で、トレーニング中の選手の心拍数などを全てデータ化し、育成のヒントに使おうとしています。
 
 あと、もっと身近なところでは、「Tポイントカード」かな。個人の食事や買い物のデータを集めて、消費行動の傾向を見つける、というような。星野社長は今、ビッグデータのどんな活用法をお考えなんですか?
 
星野 ゲームの話でも言った通り、普段のリアルな生活で役立つような活用方法がいいですね。例えば、なくしたものを探す手がかりになるように、過去に遺失物が見つかった場所のデータを地図上に可視化する「ヒートマップ」とか、医療や介護を受けている人たちのデータから、救急車の搬送先をより迅速に見つけられるようにするとか、そんなイメージですね。