B+ 仕事を楽しむためのWebマガジン

経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

画期的な電子カルテで
医療現場の環境を改善

 

ほとんどの入力をマウス操作だけで実現

 
glay-s1top.jpg
川上 それでは、とても患者さんのためになっているとは言えませんね。

安倍 そうなんです。電子カルテを導入した途端、医師が患者さんのほうを見なくなり、モニターばかり向いて仕事をするようになった──というのはよくある話です。電子カルテを導入したために残業が増える、ということにもなりがちで、これではなんのための電子化なのかわかりません。

川上 だからといって、「紙のカルテを使えばいい」というわけでもないのでしょうね。

安倍 はい。従来の紙カルテは自由に書き込むことができるいっぽう、字が汚かったり、私のように達筆すぎたりすると他の医師には読めないという問題がありました(笑)。それに、漢字は外国語に比べると画数が多いので書く時間もかかります。カルテを電子化することによって、そういった問題を解決する様々な可能性が開けてくるはずなのですが、これまでの電子カルテはそのための機能が実現できていなかったんです。

川上 そこで、安倍院長が画期的な電子カルテを自ら開発したというわけですか。HeartBaseには、どのような特長があるのでしょう!?
 
安倍 なるべく、キーボードからの入力をせずに済むインターフェイスを考えました。「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「なぜ」「どのようにした」という、いわゆる5W1Hの情報をプルダウン形式で選べるようにして、長文を打ち込む必要性をできる限り少なくしたんです。これをフレーズインプットと言います。さらに、電子カルテは紙のカルテと比べ、イラストや図を自由に描くのが難しかった。マウスやペンタブレットで一つひとつスケッチしていたら、大変なことになるんですよ(笑)。
 
glay-s1top.jpg
川上 とても面倒臭いでしょうね。私にも想像がつきます(笑)。

安倍 そこで、数十枚ものイラストや図をあらかじめ収録しておき、プルダウンで瞬時に選べるようにしました。そこに重ねた透明格子フィルター(クリアグリッド)に所見を書き込む作業もプルダウンなので、電子カルテ入力のほとんどをマウス操作だけで可能にしたというわけです。

川上 漢字変換の確認をする必要がなくなったうえ、図やイラストも選択するだけ。格段に使いやすくなったでしょうね。HeartBaseの開発には、どれくらいの年月がかかったのですか?

安倍 2005年頃からなので、もう10年前になりますね。