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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

働きやすい環境づくりで
顧客満足向上のバス会社

 

重視するのはサービスと安全性

 
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 すると、基本的に言葉は通じないわけですよね。
 
島(智) そうですね、通訳の方はいらっしゃいますが、一人ひとりに対しては言葉が通じない状態です。でも例えば、「行ってらっしゃい」「お帰りなさい」といった挨拶を笑顔ですると、相手の方も応えてくださる。言葉はわからなくても、気持ちは通じるんですね。
 
 僕も現役時代には様々な国へ行ったので、わかります。確かに全く言葉が通じない国でも、僕のことを応援してくれている人はなんとなくわかりましたから。
 
島(智) 相手の表情や雰囲気で思いって伝わるんですよね。でも、他社の運転手の中には運転の疲れから、少しでも早く仕事を終わらせたいと、目的地に着いた途端、お客様のお見送りもしないで日報を書き始める人も少なくないんです。
 
 確かに、観光バスなどで乗客の方が「ありがとう」と声をかけても、黙々と日報を書いている方を見かけることがあります。
 
島(智) 当社ではそういったことがないよう、運転手もお客様が乗り降りする間は仕事の手を止め、挨拶をして歓迎とお見送りすることを徹底しています。そのほうがお客様としても、ずっと気持ちが良いはずですから。それにたとえ言葉は通じなくても、「お帰りなさい、楽しかったですか?」と声をかければ、お客様もリアクションしてくださるんです。それぞれ自国の言葉だったり覚えたての日本語だったり、ただ一言「グッド!」と返してくださる方もいます。そんなふうに、サービスやコミュニケーションを通して少しでも日本での旅行を楽しい思い出にしてもらうために、スタッフ全員が心配りをしているんです。
 
 へぇー、きっとそのバスの車内は良い雰囲気に満ちているのでしょうね。
 
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島社長の夫で運行部長の島義隆さん
島(義) それからもちろん安全面にも気を配っています。当社では技術・サービス面共に、質の高いプロの運転手を厳選しており、採用後には私が監督・指導係として教育を徹底。運行中は快適さを損なわないよう、ブレーキの踏み方にも細心の注意を払ってもらっているんです。
 
島(智) 私としてもプロとして仕事をしてくれている彼らを誇らしく思いますし、新規の営業を行う時は「とにかく1度でも当社のバスに乗ってくだされば、良さがわかっていただけます」とお伝えしています。そしてその分、日々の運転で疲れている運転手の負担を考えて、休憩や休日も充分にとらせているんです。それに負担の大きい夜間運行なども、当社では行っていません。
 
 運転手さんへの信頼がとても厚くていらっしゃいますね。それだけ自社の社長に信頼されていたら、従業員としても働きがいがあるだろうな。それに起業した当初の思いを実行して、労働環境をきちんと整えていらっしゃるんだから、すごいですよ。