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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

相互尊敬で個の成長促し
一枚岩で公共放送を支援

 

自分が常に正義ではない

 
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 最近は生活にゆとりがあるにも関わらず、受信料の支払いを拒否する人がたくさんいるとニュースで聞いたことがあります。中には辛辣な言葉を投げかけてくる人もいるでしょうね。それでもお客さんとの会話を楽しめるものなんですか?
 
藁谷 中にはNHKさんを目の敵にして、罵声を浴びせてくる人もいます(笑)。でも私は、いちいち感情的になることはありません。相手には相手の正義がありますからね。肯定的な意見だけではなく、お叱りを受けるような否定的な意見も取り入れてこそ、我々は成長していけるのかなと思います。
 
 確かに、受信料を払わない人でもそれなりの主義主張はあるでしょう。しかし、法で定められている以上、御社のスタッフには大義名分があるわけですよね。
 
藁谷 とは言え、どんな時も自分たちが正しいわけではありません。私も若い頃、自分の非礼をお客様に指摘されたことがありますが、それを教えてくださったお客様には大変感謝しています。そういう経験を経て成長してきたおかげで、今は私の接客態度を踏まえて「受信料を払う」と言ってくださる方もいますからね。
 
 藁谷社長と会ったことで受信料を支払う気になってくれる方もいるわけだ。
 
藁谷 はい。インターホンを押す際にきちんとした姿勢で立ち、仮に留守であってもお辞儀をして去る。最初は居留守をしていても、2度目に訪問した時に「前回居留守した時に、ドアの向こうであなたが礼をして帰ったのを見たから」と、考えを改めてくださる方もいるんです。だから私はどんな方と会う時も、ポジティブなスタンスを崩すことはありません。
 
 でも、藁谷社長のように何事もポジティブに捉えて成長できる方ならともかく、若い方の中には、何度も断られるうちに心が折れてしまう人もいるんじゃないですか。
 
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藁谷 確かにそうですね。会社員時代、部下から同じことを言われたことがあります。「私たちは藁谷さんと同じようにはできない」って。それを聞いた時は、今まで部下に、自分の価値観を押し付けていただけなのかもしれないと気付きました。
 
 他人の一言で、自分を省みることってありますよね。僕も現役時代、J1からJ2のチームに移籍して、チームに打ち解けられず悩んでいた時期がありました。元日本代表だとか元J1だとか、「自分は一流選手だ」というプライドが邪魔していたんでしょうね。でもある時、妻に言われました。「あなた勘違いしている。あなたは今、日本代表ではなく、J2で最下位のチームでプレイしている一選手に過ぎないわよ」って。
 
藁谷 奥さんの言葉、かなりストレートな指摘ですね。
 
 ええ。言われた瞬間は相当腹が立ったのですが、それ以降、チームのためにできることを最大限にやろうという気持ちが芽生えたんです。だから妻には、ああ言ってくれたことに感謝しています。