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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

縫いも磨きも全て手作業
世界で一つのレザー製品

 

人形店を経てレザー製品の製造へ

 
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職人の確かな技術が施された、様々な作品が揃っている
伊倉 妻とは学生時代にバイト先で知り合ったのですが、私がカナダ留学から戻ってくると、彼女のご両親が「婿に来てほしい」と言うんです。当時はまだ交際もしていなかったので本当に驚きましたよ。
 
矢部 お付き合いしていなかったのに!? その関係から結婚を決意されたきっかけが気になるなぁ。
 
伊倉 妻の実家は当時居酒屋も経営していて、妻がその店の責任者だったんです。その店に行ってみると、妻の真面目な働きぶりと周囲への気遣いに感動しちゃいましてね。「結婚するなら絶対この人だ!」と思ったんですよ。実際今も、一緒にいて居心地がいい人ですから、当時の直感は間違ってませんでしたね(笑)。
 
矢部 奥様の働いている姿に惚れるなんて素敵です! でも伊倉代表のお父様には反対されたのでは?
 
伊倉 確かに両家の話し合いは緊迫したものでしたが、最終的に5年間私が設計の仕事を続けるという条件で縁談がまとまりました。
 
矢部 ドラマチック~! それで約束通り、5年間は建築のお仕事を続けたわけですね。
 
伊倉 いえ、4年目に妻の母が病に倒れ、人形店のほうの経営状態が悪化したんです。借金もあり、借金の融資を一本化する条件として銀行から提示されたのが、私が経営者となり借金の保証人になることでした。もちろん私の両親は反対しましたが、妻はもちろん、彼女の妹たちも「家業を守りたい」と強く願っていました。だから「この家を守るのは自分だ」と覚悟を決めて、人形店を継いだのです。
 
矢部 素晴らしい決心だと思います。実際にやられてみてどうでしたか?
 
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伊倉 非常にやりがいがありましたし、自分は接客仕事がすごく好きだということに気付けました。ただ、家業は、あくまで仕事でした。本来、自分がやりたかった職ではなく 将来に不安を感じたんです。それで、何か趣味で発散しようと思い、昔からバイクが好きで革製品に興味があったので、レザークラフトを始めたんです。
 
矢部 ものづくりへの思いが、レザークラフトづくりに行き着いたんですね。奥様の反応はいかがでした?
 
伊倉 「やってみたいんだけど」と相談した翌日に、10万円を用意してくれました。私の気持ちを汲み、出資してくれたんだと思います。もちろん、当時の家計からの10万円はかなりの痛手だったと思います。あの時の妻の気遣いがなかったら今はないので本当に感謝しています。最高のパートナーですよ。
 
矢部 お互いが気配りし合える関係で、とても素敵ですね。
 
伊倉 そこからはネットや本でいろいろと調べながら、できるだけ安く材料を仕入れ、持っていた財布などを分解し試行錯誤しながら独学で、初作品のカメラバッグを完成させました。せっかくつくったので、それを人形店に飾っておいたんですよ。すると、来店したお客様から「そのバッグが欲しい」と言っていただき制作依頼を受けました。それで自信を持てたことが、伊の蔵・レザーの開業につながったわけです。
 
 
 
 

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