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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

遺伝子レベルの検査で
動物の健康を守る

 

将来は直営の動物病院の設立を目指す

 
宮地 お話をうかがっていると、この技術は犬猫だけではなく、他にも活用ができそうですね。
 
山口 実は、牛や馬といった大型の家畜動物の免疫強化法としても、現在この技術の応用を研究しているところなのです。たとえば、黒毛和種など日本固有の銘柄牛などの高価な牛が生後一週間前後で感染症にかかって発育不全になったり、死んでしまったりすると、酪農家にとって大きな損害となるでしょう。これを、仔牛のうちに免疫力を高めることで防ぐことができます。これは世界的にも類のない技術ですし、家畜保護や育成という面でも、畜産業の経済損失を未然に防ぐという意味でも、私どもは大変意義のあるものと考えています。この技術は、すでに国内特許が成立し、現在外国特許の取得に乗り出しているところです。
 
宮地 どんどん技術が広まれば、世界中のワンちゃんと飼い主が幸せになれるように思います。
 
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山口 おっしゃる通り。私も子供の頃から動物が好きで、ペットの治療に興味を持ったことから始めた仕事ですから、責任感を持って取り組んでいますよ。
 
宮地 山口社長のような動物好きな方に自分の大切なペットを預けるなら、飼い主として安心できます。しかし、やはり命を預かるお仕事ですから、プレッシャーを感じることもあるでしょう?
 
山口 それはもちろんありますね。「命を預かる仕事」 という意識は、自分自身にもそうですし、スタッフ全員に徹底しています。私たちが検査結果を間違えると、獣医さんの治療方針が誤った方向へと向かってしまうわけですから、真摯な態度で取り組むことが大切であるという考えを共有しています。あとは、礼節やマナーについても口うるさいくらいに徹底指導しているんです。私たちの仕事は、お客様あってのサービス業。相手に信頼していただかなくてはなりませんから。そのためにはお客様とのコミュニケーションも重要です。
 
宮地 本当に、おっしゃる通りだと思います! 最後に、今後の展望についてもお聞かせいただけますか。
 
山口 最終的には、私どもの先端技術が存分に生かせる、動物病院の設立を目指しています。そして、地域の獣医さんたちと連携を取りながら、多くのペットたちが安心して暮らせるような医療体制を構築したいと考えているのです。とにかく、今は頑張り時ですし、仕事が面白くて仕方がない時期。好きで始めた仕事ですから、仕事イコール趣味、みたいなものですね(笑)。スタッフ全員で、100%仕事を楽しめるような、そんな環境づくりを進めていきたいと思います。
 
 
 
 :: 会社概要 :: 
   ■ 社名 株式会社ケーナインラボ
 ■ 本社 〒184-0003 東京都小金井市緑町2-7-24 メゾン・ネクスト1F
 ■ 検査センター 〒110-0005 東京都台東区上野3-5-2 S-1ビル
 ■ 事業内容 動物臨床検査の受託/細胞免疫療法に関する技術支援/動物用診断薬、研究用試薬の研究・開発・製造および販売/ 他
 ■ 設立 平成17年8月
 ■ 従業員数 5名
 ■ 主な取引先 日本獣医生命科学大学/大阪府立大学/帯広畜産大学/日本動物高度医療センター/ 他、全国の動物病院
 ■ ホームページ http://www.canine-lab.jp