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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

物づくりの価値を
世界へ紡ぐアパレル商社

 
 
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ビジネスウェアを主体にした 「NEWYORKER」

名高 随分と幅広いラインナップですね。
 
村尾 当社は、ダイドーグループ100%出資の子会社です。グループ中核のダイドーリミテッドは、もともとの社名は大同毛織(株)といいまして、紳士服地 「ミリオンテックス」 や 「Puppy」、ビジネスウエアを主体にした「NEWYORKER」 ブランドなどを国内の工場群で製造し、販売していた会社なんですよ。
 ところが、皆さん御存知のように中国の開放政策でグローバル生産構造が確立され、ダイドーリミテッドも1996年に国内の生産部門を中国へ全面的に移転しました。当然、輸出入業務が派生しますので貿易業務を行う(株)ダイドートレーディングが発足し、さらに効率的なサプライチェーンを求めて 「ミリオンテックス」 事業や 「Puppy」 事業部を統合させて、2007年に(株)ダイドーインターナショナルが設立されたわけです。
 
 

商社マンの感性が物づくりを育てる

 
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名高 日本の繊維産業の構造変化を象徴するような過程を、社長は目の前で見てこられたわけですね。
 
村尾 いえ。実は私はプロパー社員ではなく、ダイドーグループの外から来た人間なんですよ。大学卒業後は繊維関係の専門商社に入社しましたので、繊維と共に歩んできたことには変わりないですが。4年前にダイドーリミテッドに縁があって入社することになりました。
 
名高 いずれにしろ、村尾社長の手腕が買われたということでしょう。専門商社時代はどういったお仕事をされていたのですか。
 
村尾 ヨーロッパの商材を日本に持ってくる仕事をしていました。
 商材の持つ市場ポテンシャルを見抜くには判断力が求められますし、商材に最適な販売チャネルと顧客ゾーンを構築していくことに関しても、自前のネットワークを一定程度持っていることは大きな強みになります。
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私は、ダイドーグループがメーカーから脱皮して、自社製品をグローバル市場でユーザーに直接アプローチするSPA(Speciality store retailer of Private label Apparel) 企業に転身しようとする転換期に、商社で培った自分の経験を少しでも活かせられればと考えました。
 
名高 商社マンとして世界中を見てきていますから、グローバル化を図る企業には心強いパイロットになりますね。まず、狙うべき市場はどこをお考えですか。
 
村尾 販路については、当然、ヨーロッパやアメリカを含めた全世界に確立したいのですが、最近の円高傾向を考えると輸出ビジネスは厳しく、グループの生産拠点を集中させた中国国内での販売に力を入れています。
 中国では、事業拠点を置いている上海の気候的な事情もあってスーツを着用する方が少ないので、今後はジャケットやカジュアルウエアを中心に展開していこうと考えています。中国は人口が多いですし、ビジネスチャンスを一つ捉えられれば、爆発的に事業を拡大できるとにらんでいます。