ページ内を移動するためのリンクです。

経営者インタビュー チャンスも困難も、すべてを楽しむ―そんな仕事人たちの経営にかける思いと哲学を、凝縮して紹介します。日々のビジネスに発見を生む、時代と自らに挑み続ける経営者の素顔がここにあります。

株式会社岩波海苔店 代表取締役 岩波克弥 前代未聞の「胡椒で味付けした新感覚味付けのり」がブームとなっている。火付け役は、築地場外市場の岩波海苔店だ。岩波克弥社長に、大ヒット商品の開発秘話、先代社長である父に対する想い、エネルギッシュに猛進を続けられる経営哲学などをうかがった。

プロフィール 東京都出身。両親の教育方針で学区を越えて小学校に通い、場外市場で海苔店を営む先代のもと、小学生の頃から海苔製造の手伝いをし、家業に馴染む。23歳で熊本県の地元の名士でもある同業者に修業に上がり、工場で寝泊りしつつ海苔屋として仕込まれる。帰郷後は家業に入り、先代のもとでさらに修業を重ねた。2008年、先代の逝去に伴い事業を継承。築地土産として企画した新感覚味付けのり「魚河岸ペッパー」を大ヒットさせるなど、消費者のニーズに応える商いを展開している。
 
 
 
前代未聞の「胡椒で味付けをした新感覚味付けのり」が築地でブームとなっている。火付け役は、場外市場に店を構える(株)岩波海苔店。卸し、小売り、そしてメーカーの3つの顔を持つ、のり専門のプロフェッショナル企業だ。同社の岩波克弥社長に、大ヒット商品の開発秘話や、厳しくも温かく見守ってくれた先代社長である父に対する想い、エネルギッシュに猛進を続けられる経営哲学などをうかがった。
 
 
 

胡椒で味付けした
新感覚味付けのり「魚河岸ペッパー」

 
100113_k0103_ex06.jpg

海苔の香りと、伝統食材を扱う店らしい落ち着いた雰囲気が漂う店内

山本 岩波海苔店さんには大ヒットしているのりがあるということですね。
 
岩波 はい。昨2009年9月に発売したオリジナルの味付けのりで、「魚河岸ペッパー」という商品です。当社はもともと、主に業務用のり製品を扱う問屋だったのですが、8年ほど前から自社で韓国のりの製造・販売を手がけるようになりました。その新商品として開発したのが「魚河岸ペッパー」です。こののりは胡椒で味付けしたという、いままで誰も見たことも聞いたこともない新感覚の味付けのりです。韓国のりをベースにしていますが、韓国にもありません。発売して1ヶ月も経たないうちに、「羽田空港や成田空港で売らないか」とか、「うちの店にも置かないか」といったお話を次々にいただきました。すでに当店の小売販売点数の半分は、この「魚河岸ペッパー」が占めているほどです。
 
100113_k0103_g01.jpg

インタビュアー 山本みどり(女優)

山本 それほどの人気商品は、どのような経緯で作られたのですか?
 
岩波 いま、築地市場は大勢の観光客が訪れるようになり、かなり盛りあがっているんですね。でも、扱っている商品のほとんどが生ものなので、お客さんはみんなお土産に困っているんです。私はそれを見て、乾き物でいいお土産があれば売れるんじゃないか、と考えたのです。「魚河岸ペッパー」は360円、540円、720円の3パックがあります「ちょっと築地に行ってきたよ」という手土産に、ちょうどいいですよね。
 
山本 おみやげにマグロをもらっても困りますものね(笑)。人の求めているものを、よく見ていらっしゃいますね。
 
岩波 築地は、どの店も地方の美味しいものをたくさん置いてあるから、差別化が難しいんですね。当社の場合は卸しも小売りもやり、自社商品を作るメーカーでもあるので、店としての看板商品が欲しかったのです。「魚河岸ペッパー」は、あくまでもこの店でしか買えない商品として作っているので、問屋さんには納めていません。特別な営業は何もせず、ひそかに売っているのですけれども(笑)。