プロフィール 東京都出身。大正6年から続く徽章製造業の家に生まれ、小学生の頃から家業を手伝って徽章に馴染む。学業終了後、先代亡き後の事業を継承して3代目代表取締役に就任。自分より年長のスタッフばかりの環境に飛び込み、創業90年の実績と伝統を守りつつ、現在ではテレビ番組の懸賞品なども手掛けるなど、時代に合わせた展開も進める。物づくりの老舗として妥協のない姿勢は各顧客から変わらぬ信頼を集め、名実共に日本の徽章業界を代表する存在である。
「徽章」と聞くと、現在の若い世代はなじみが薄いかもしれない。だが、バッジ、メダル、社章と聞けば、イメージしやすいのではないだろうか。アキバ徽章は大正6年に創業し、その歴史と伝統から宮内庁御用達にもなっている徽章の製造販売元だ。現在三代目の秋場祐司氏は、父の没後に会社を引き継ぎ、赤子のころから顔を見てきた古参の職人たちとともに新たな社歴を作り出そうとしている。
徽章はもともと日本で生まれた

インタビュアー 山本みどり(女優)
山本 アキバ徽章は大正6年から続く徽章専門の製造販売元だそうで、宮内庁にも製品を納入されているそうですね。「記章」 ではなく 「徽章」 と書くのですね。字面からして厳格なイメージです。
秋場 今ではバッジとかメダルとか、個々の呼び名のほうが浸透していますからね。徽章は付ける部位によって呼び方が変わるんです。たとえば、代表的なところでは、襟章、腕章あたりでしょうか。ほかにも、肩章、胸章、袖章などもありますね。その他にも、ワッペンや名札、トロフィーのようなものも、総称すると 「徽章」 になるんです。バッジもメダルも徽章の一種です。実は普段から皆さんが目にしておられるものですから、変に厳格なものではなく、身近なものなんですよ。
山本 バッジは海外で生まれたもののように思っていましたけど、実は違うんですか?
秋場 ええ、もともとは日本の物のようです。当社でも、古くは、戦時中に軍需関連会社を所管した軍需省の専属工場となり、武功章を作っていたことがあります。
山本 軍といえば、勲章などでしょうか。
秋場 そうです。現在でも、軍人だった方のお孫さんなどからお問い合わせをいただくことがありますよ。ご自宅で勲章の空き箱を見つけられて、箱の裏に 「アキバ徽章謹製」 と書いてありますので、「この勲章の型はまだ残っていますか?」 とお問い合わせが来るのです。もちろんバッジは海外でもメジャーなアイテムですが、実は日本の場合は、海外とは作り方が違うんです。



