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経営者インタビューEXECUTIVE INTERVIEW

お客様の笑顔と満足が
飲食業にたずさわる喜び

 
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「匠家」自慢のカウンター席。通常より
ゆったり幅をとり、床は絨毯敷きだ。

金本 カウンター席にこだわりました。幅をゆったり取って、床には絨毯もひきました。通常、飲食店のお客様はカウンター席を嫌いますが、僕はカウンターが大好きなんです。一緒に行った人と話すにも、お店の人と交流するにも、距離感が近いじゃないですか。目の前のショーケースにお肉がカタマリで並んでいるとテンションが上がりますしね(笑)。 当店では、お客様は一度カウンター席を試すと間違いなく気に入ってくださいますね。次からはわざわざカウンター席指定でご予約をくださるお客様もいらっしゃいます。
 
川村 上質のワインを傾けながら、カウンターで焼肉懐石・・・ いいですね。焼肉店の新しいスタイルになりそうです。
 
 

飲食店経営の本質を教えてくれた人たち
 

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川村 金本社長は二代目で、ご実家の焼肉店は昭和58年の創業だそうですが、経営のイロハは誰に教わったのでしょう?
 
金本 料理に関しては母ですね。もう引退しましたが、母はとにかく料理がうまくて、母の作る韓国料理はお客様に大人気でした。非常に厳しい人でもあり、忙しくて手の廻らないときに僕や兄が料理に影響のない部分で手間を省くと、よく怒られました。
 独立した兄からは人への優しさを教わりました。いま僕の店がどこも職場の雰囲気がいいのは、兄の影響です。亡くなった父からは焼肉にかける気持ちの強さを受け継ぎました。父の本業は縫製工場の経営だったんですが、母に輪をかけて味にこだわる人で、仕事を引退してからも週に3回は店に食べに来て目を光らせていました。メニューは毎日ほとんど同じ。「うまい」と誉めてくれることはなかなかないんです。気に入らなかったら怖い顔で「駄目だ」の一言で終わり。厳しかったですねぇ。
 ・・・その父とは、2号店をオープンしたばかりのときに大喧嘩をしたことがあります。お客が溢れて3時間待ちの状態になって、このペースだとスープが閉店までもたないと分かったときに、待ってくださっているお客様に帰ってくれとは言えず、いまから作れるはずもなく、その日の何時頃か、私の判断でスープを薄めてしまったんです。その夜に父が来て「このスープは何だ」と。今日だけはどうしようもなかった理由をあれこれ話しても、「そんなの関係ねえ」と。最後は「こんな店辞めちまえ!」で大喧嘩ですよ。でも、いま思うと僕が最低の判断をしたんですよね。圧倒的に父が正しいんです。いまの僕ならあの日の僕に父と同じことを言いますよ。「本末転倒だ」って。
 
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川村 オープン早々、お客様を追い返したくはないですし・・・。飲食店経営者なら誰もが身につまされるお話じゃないでしょうか。そんな経験をされた上での経営哲学なら、きっと皆さんの共感を呼ぶと思いますよ。
 
金本 父や母、兄、南区で鉄板焼きの店を開いている姉。他にも、これまで出会ってきた先輩の経営者の皆さんからいろんなことを教わってきました。その結果としていまの私がある。そう思っています。