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経営者インタビュー チャンスも困難も、すべてを楽しむ―そんな仕事人たちの経営にかける思いと哲学を、凝縮して紹介します。日々のビジネスに発見を生む、時代と自らに挑み続ける経営者の素顔がここにあります。

株式会社 キズナフーズ 代表取締役 谷口友啓

築地一代。固い絆を社名に掲げ
躍進を続ける鮮魚仲卸業

 

本物の魚の美味しさを伝える「築地 絆」

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岡安 そして、今年の7月にはこんな素敵なお店をオープンされて。
 
谷口 ありがとうございます。ここはもともと仲卸業のほうのお客さんのお店だったのですが、「手放そうと思っているので、よかったらやってみないか」とお声をかけていただいたんです。20代の頃から洒落た料理店を持ちたい夢がありましたし、キズナフーズの既存の固定客様にテストキッチンとして使っていただくなど、皆さまとの交流を通じてメリットを与えられる場にできると思い、その場で快諾しました。
 
岡安 会社の仲間たちも、盛り上がったでしょう。
 
谷口 いや、反対する人間もいました。本業を固めなければならない時期に、ノウハウを全く持たない飲食業に飛び込むわけですから。でも、我々なら仲卸業者として新鮮な魚を安く仕入れられること、豊洲はマンションの建設ラッシュで住民の増加が見込めること、さらに、近隣の会社関係の皆さまの宴会需要も考え、皆を説得して押し切りました。
 
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明るく開放的な店内。手前のテラスにはベイエリアの運河がせまる。

岡安 事業としての見込みをしっかり立てたうえでの決断だったのですね。
 
谷口 そうです。ゆったりした大きな店内で、築地本来の鮮魚の美味しさを一般の方々にアピールするアンテナショップとしての場を確保できれば、総合食品事業を志向するキズナフーズにとって大きなビジネスチャンスです。これを逃す手はない。あのときばかりは、20代から半ば強引に自分の道を拓いてきた私の地が出ましたね。
 
岡安 築地の仲卸業者のお店というだけでも美味しそうに感じるのに、入り口に水槽があって、店内にはお寿司屋さんなら必須の大きなカウンター席があって、オープンテラスからはベイエリアの情景が眺められて・・・・・・。これなら、一度来て食べれば確実に魚が大好きになってしまいますね。すごく素敵なお店です。
 
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小物やオブジェでも“和”を演出。細部まで気を抜かない店づくりが光る。

谷口 ありがとうございます。ウォーターフロントのロケーションに居抜き状態でしから、もともと物件には恵まれていました。そのうえにアイデアを練って、入り口に生け簀を配置したり、魚の品目を記した木札を掛けて並べたり、通路から魚を捌く姿を眺められるようにしたり、徹底的に魚河岸の雰囲気を伝える演出を施しました。
 でも、外見以上に、来店されるお客さんの健康面も考えて魚を提供できる店にしたいと思っています。例えば塩加減やアレルギーのことも考えて提供し、お客さんから「本物の魚の美味しさと出会えるお店」という評価を戴けたら、それはもう、築地の人間としては最高の誉れですから。
 
岡安 実際のお客様の反響はいかがでしょう。たとえば客層などは?
 
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谷口 この地域は曜日によって客層が変化します。平日はやはりお勤めの方が多いのですが、接待などに最適な個室もありますので、30代から60代まで幅広い年代の方々からご好評をいただいています。ウィークエンドは近隣の家族連れの方々で賑わいます。魚が嫌いだった子供たちが嬉しそうに食べている姿を見ると、本当に嬉しくなりますね。
 オープンしてまだ日が浅いにも関わらず、二度・三度と繰り返しお顔を見せてくださるお客さんも多いです。お客さんの生の反応を見られる喜びは仲卸業ではないことなので、その点でも嬉しいです。
 

岡安 では、今後も「築地 絆」の店舗は増えつづけていくことになりそうですね。

谷口 増やしたいですね。既にその方向で、都内に候補地を探しています。
 私は、これからの外食産業に必要な要素は専門性だと思っています。「肉を食べたければ焼き肉屋さん」というのと同じ感覚で、一度来店していただいたお客様には必ず、「美味しい魚を食べたければ築地の『絆』だな!」と認めていただける店にしたいです。