サンケイ建設 株式会社 代表取締役 生田目 憲一
全国の工事場を駆け回る
エアーモルタルのプロ集団

初代 故・廣瀬勝三郎氏
生田目 おっしゃる通りです。当社は私の祖父が昭和38年に創業し、エアーモルタル事業を始めましたからね。
高橋 ということは、御社はエアーモルタルの老舗ですね。
生田目 45年の社歴で老舗なんておこがましいですが、草分けの一つである自負はありますね。当時は現在ほど技術も工法も確立されておらず、現場は試行錯誤の連続だったようです。初代のその苦労が、当社の技術力の基盤です。
職人気質が会社のDNA

高橋 御社の事業エリアは全国に及んでいますね。
生田目 はい。北海道を除き、全国どこの現場にも駆けつけています。実はエアーモルタル専業の事業者自体、私の知る限り、全国でも唯一当社ぐらいです。業界に携わる者として責任を果たすには、お客様のご依頼があれば、全国どこへでも駆けつけられるようでないと。
初代の頃は、ちょうど日本の建築インフラが形成される時期でして、ビルの新築に伴うエアーモルタル工事が大半でした。そして二代目の父の時代以降、土木工事でエアーモルタルが盛んに使われるようになると、いろんなグラウト(注入・充填工事)事業者がエアーモルタル工事を手掛けるようになりました。しかしその後、現在のように補修土木が大半になってくると、現場の作業スペースが確保しにくいなど条件の厳しい案件が多くなり、皆撤退していきました。その中で当社は専業として頑張ってきましたから、今は全国からお声がかかるのです。
高橋 全国から依頼が来るということは、それだけ御社の技術力が評価されている証でもありますね。
生田目 ありがとうございます。当社のような小規模の専業会社は技術力が生命線ですからね。エアーモルタルの場合、大手グラウトも我々のような専業同士でも、素材や工法に大きな違いはありません。ではどこで差がつくかというと、仕上がりです。現場の状況をよく観察して、その状況に最も適した配合率や強度を割り出し、すばやく施工する。そうやって、お客様に期待された以上の仕事を収めるよう心掛けています。専業として胸を張って仕事が受けられるよう、この点は本当に意識していますね。
高橋 その誇りが御社の技術力の根底になっている、と。

生田目 そうです。でも、経営的には、それが裏目に出ることもありますね。
エアーモルタルはグラウトの一種ですから、万能ではありません。現場の状況次第では、エアーモルタルが向かない場合も当然あるわけです。この現場にエアーモルタルを注入したら水にやられてしまうとか。そんな時は「この現場にはエアーモルタルより○○のほうが適しています」とためらわずにお伝えします。その上で、適した工法で手掛けられる業者をご紹介しています。
高橋 黙って受けようと思えばできる仕事を、あえてお断りするわけですね。
生田目 そうなんです。現地調査から帰ってきて、待機させていた従業員に「あの仕事はなくなった」と報告すると、「社長、また断ったか」という顔をされますよ(笑)。
生田目(母)でも、それでいいんです。無理に引き受けて中途半端な仕事をしたら、長年コツコツ積み上げてきた信用を無くしてしまいます。逆に信用さえあれば、仕事は後からいくらでも入ってきます。初代も二代目も、そうして苦しい時期を乗り越えて来ましたから。



