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ノウハウ 明るい我らに仕事あり vol.14 自分の存在を意識させる人材活用術 明るい我らに仕事あり 株式会社武蔵野 代表取締役社長

ノウハウ
 
 あけましておめでとうございます。皆様、よい新年を迎えられていますでしょうか。新しい目標に向かってスタートする時、やる気をみなぎらせるのはいいことです。でも、ついうっかり一人で先走りしがちでもあります。そんな時こそ、少し周りを見渡してみましょう。周囲との歩調、人間関係、意思の疎通、波長。そういった全部がかみあってこそ、物事はうまくいくもの。そこで今回はコミュニケーションに焦点を絞った相談をまとめました。
 
 
【相談ケース27】 ナメられない先輩になるには?
 
小山社長、初めまして。私は現在新人として鍛えられつつ、この春からは後輩を持つことになる営業です。先輩たちから 「1月から3月はあっという間に過ぎるから、お前も、先輩の心構えをしておけよ」 と言われたりして、ちょっとプレッシャーかかってます。高校時代も大学時代も部活などに入っていなかったので、先輩後輩の関係がよくわかっていないのですが、「とにかくナメられないようにしないと!」 とは思っています。後輩にナメられないためには、どんなことを心がけておけばいいですか?(23歳 会社員・男性)
 

カッコいい先輩にならなくていい

 
 新人だった自分に後輩ができる。嬉しい反面、焦りがあったりもするわけでしょうね。でも、どうして焦るんですか? 問題はそこから考えたほうが早いでしょう。
 バカにされるということは、つまり尊敬されないということです。では聞きますが 「尊敬」 とは何ですか? 釈迦やキリストのような偉大な存在になるということでしょうか。それは崇拝であって尊敬ではありません。あなたの上司にもそこまでの人はいないでしょう。でも、上司を 「この人、尊敬できるな」 と思うところは多々ある。その尊敬に値するポイントは、「自分にできていないことをできている」 ということに尽きます。
 自分にできないことをできる人に対しては、単純に 「すごいな」 と思うはず。技術であれば盗みたくなるし、哲学であれば参考にしたくなる。ただ、1年程度の違いで、その 「すごいな」 が数多くできるかというと、よほどの天才ではないかぎり難しいものです。ということは、一つでも 「この先輩、やるじゃないないか」 と思わせれば、それだけでもうバカにはされないんですよ。
 先輩になりたての人がやってしまいがちなミスは、良いところばかりを見せようとすることです。逆を言えば、悪いところを隠してしまうということ。それだと、確かにカッコいいかもしれませんが、いずれボロが出た時に取り繕えませんし、カッコ悪さが倍増します。第一、そんな背伸びした自分と後輩が本当の意味でコミュニケーションをとれると思いますか?
 
ではここで、今回の 「小山昇の結論」
 
 今のままの自分でいいんです。人はそれぞれ長所短所、得意不得意が違いますから、分野によっては後輩のほうが優れていることもあるでしょう。でも、トータルであなたのほうがほんの少し優れていれば、それだけで必然的に、後輩の心の中にはあなたへの尊敬が生まれます。また、少しだけの違いだから、上司と違って彼らから心を許して相談されやすくもなる。その時に懐深く相談に乗ってあげるほうが、頼れる先輩に近づきます。しっかりいい先輩になってあげてくださいね。
 
 
 
【相談ケース28】 よい秘書はどんな秘書?
 
小山社長、あけましておめでとうございます。今回ご相談させていただいたのは、秘書の扱い方です。弊社はあまり規模の大きくない会社でしたので、社長の私自ら社内実務もこなしていましたが、3月の決算期を境に、実務的なものは下に極力任せ、社長業に専念すべく、そろそろ秘書を置こうと考えて人選を進めています。そこで、どんな人物がよい秘書たりえるのか、また上手な秘書の扱い方はどのようなものかを、ぜひ教えてください。(39歳 経営者・男性)
 

秘書を育てるのは社長の力量

 
 大前提としてお伝えしなくてはいけないことがあります。秘書の能力、つまりサポート役としての能力に長けた人材は、探せば確かにいるでしょう。しかし、大事なのはその人材の能力がいかに頼りになるかではなく、社長が秘書をどう扱えるかです。ここを間違えると、どんな優秀な人でも優秀な秘書にはなりません。
 秘書を扱う際には、二つのポイントがあります。一つめは、長期にわたって同じ人材を秘書として近くに置かないこと。秘書は、各部署に社長の言葉をそのまま伝える役割が多くなります。したがって、各部署のトップの人間であろうと、秘書の言っていることは(社長の言っていることですから)愚直に受け止めなくてはいけない。ここで、秘書には人間心理として 「私の言うことは、どんな人でも聞いてくれる」 という、虎の威を借る狐のような錯覚が起きやすいのです。それは本人に間違った上下意識を植え付けますので、できれば1~3年のスパンで交代させることが大事です。
 二つめは、「言・即・行」 を実行させること。社長が命じたことは、どんなことでも後回しにせず、すぐに行動させることです。基本的に社長はものすごいスピードで動いていきます。乗り物にたとえるならば新幹線のようなもの。社員や秘書はというと、中には特急列車の人もいるかもしれませんが、大部分は鈍行電車のスピードで動きます。それだけ違いがあるのです。新幹線が発車する前に頼んでおいたお弁当が終点間際に届くような感覚では話にならないのです。すぐに行動しないと社長の動きにブレーキをかけてしまうことを意識させましょう。
 
ではここで、今回の 「小山昇の結論」
 
 本当にやり手の秘書は、社長の新幹線のスピードや到着場所を予測できる人です。つまり駅員さんのような役割ですね。どんな高速鉄道で付いていくよりも、駅員が到着駅の駅員に電話を一本入れたほうが早いのは間違いありません。こうした気の遣い方が自分でできてこそ、一流の秘書。そうなるためには社長と秘書が互いに現時点での仕事認識のズレを修正し続けなくてはいけないのです。そこもやはりコミュニケーションありき。秘書に徹底的に質問させ、社長が答えるという関係づくりができれば、優秀な秘書は強力な武器になります。
 
 
 コミュニケーションと一口に言っても、いろんなコミュニケーションがありますね。勘違いしてほしくないのは、自分が相手にすり寄ったりしないこと。これはコミュニケーションではなく 「媚びを売っている」 状態です。コミュニケーションの基本は、相手に自分への興味を抱かせること。相手から質問をさせたり、「教えてください」 と言わせることです。これができると、自分がやりたいことがすぐに現実化してくるはずですよ。頑張ってください。 
 
 
 
 
 明るい我らに仕事あり ~お悩みビジネスパーソンの駆け込み寺~
vol.14 
自分の存在を意識させる人材活用術 

 執筆者プロフィール  

小山昇 Noboru Koyama

株式会社武蔵野 代表取締役社長

 経 歴  

1948年、山梨県生まれ。東京経済大学卒業。1964年に日本サービスマーチャンダイザー(株)を設立し、ダスキンの都内加盟店第一号となる。1987年、(株)武蔵野に社名を変更。以来、元暴走族の社員を抱え「おちこぼれ会社」と揶揄されていた同社を優良企業に育て上げ、2000年には(財)日本生産性本部より「日本経営品質賞」を受賞した。他にもダスキン顧問(1990~1992年)、また全国の経営者でつくる「経営研究会」も主催し、ビジネスの世界におけるメッセンジャー的な役割を担う。現在は社長業と並行して日本経営品質賞受賞の軌跡や中小企業のIT戦略、経営計画書づくり、実践経営塾などをテーマに年間240回以上のセミナーで全国を回り、テレビを含め各メディアからも注目を集めている。

 オフィシャルホームページ 

http://koyamanoboru.jp

 
 
 
 

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