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繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポートvol.25 中国広州勝人塾で気付いたこと

ビジネス 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート vol.25 中国広州勝人塾で気付いたこと 繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート 商業経営コンサルタント/サトーカメラ代表取締役副社長

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皆さんこんにちは、佐藤勝人です。今年もあと2ヶ月ですね。今年は去年と比べて何が成長したか、何が去年と違ったか、そろそろふりかえって整理したい時季だ。私はと言えば、「サトカメ創業55年目に突入! 新役員12名体制の超攻撃型布陣にシフト」とか、「日本販売促進研究所の体制刷新」とかいろいろあるけど、直近で中国に行ってきたばかりだから、今日はそこでの収穫を話そう。
 
 

中国華南地区だけでも商圏人口3億人!
「第1回中国広州勝人塾」開催

 
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中国広州勝人塾に参加した現地の経営者たち。みんな若い!
それこそ今月だよ。11月の1日、初めて中国で勝人塾をやったんだ。商圏人口3億人。日本でやってる勝人塾とはスケールが違う。またこの日は私の親父、佐藤勝男会長の誕生日だったのも奇遇だった。「ありがとう親父。俺も頑張ってるよ」って、ガラにもなく感謝したもんね。
 
場所は広州だ。キヤノン中国広州支社の主催で、参加者は広州支社の販売代理店である小売業者と、卸業者。全員中国の方々で、しかも若い。大半が30代。また事業部も、カメラ部門、プリンター部門、大判プリンター部門と全部門が集まったから、すごい迫力だった。
 
で、一通りしゃべってから質疑応答に移ったとき、卸業者の1人が手を挙げた。元BOØWYの布袋寅泰似のイカツイ男だ。そいつがいきなりこう言いやがった。「言ってることはわかる。でも、それができるのはあんたに金があるからだ! 余裕があるからだ! 俺なんか粗利率1%で回してるのに、顧客サービスを追求しろだなんて、キレイゴトを言うな!」会場は拍手喝采だった。
 
みんな一斉に「そうだそうだ!」みたいなことを言っている。私は「そうとるのか・・・」と思ったが、負けずに言い返してやった。「勘違いするなよ。金があるから客に尽くす、なければ尽くさないなんていう考えだと、客も従業員もついてこんぞ。だってそうだろ。『あなたと付き合うのはあなたがリッチだから。お金がなくなったらバイバイよ』って言う女と、キミは一生付き合うか? だから、嘘でもいいから『お客様のために』ってまずは言え! 言い切れ! 言って言って言い続けろ! 君の気持ちはわかる。最初は嘘なんだよ。『キレイゴトだ!』って思うんだよ。思っていいよ。思いながら言うんだ。そしてその理想に向けて経営改革していくんだよ」。
 
そうしたら、彼――仮に布袋君と呼んでおこう――は別の不満をぶつけてきた。「佐藤さんの言ってることを、俺は全部やってる! でも儲からないんだ! 中国は日本とは違うんだ!」。「はあ??? 私は世界中回ってるけど、私の言ってることを全部やって儲かってない会社なんて、今まで見たことないよ。キミは全部やったけど儲からないってキレてるけど、それってキミがよっぽど的外れなやり方してるアホな経営者だって白状してるようなもんだよ。恥ずかしいよ」。
 
そう言うとまたこう返してきた。「サトーカメラはブランド力があるからできるんだ!」。
「じゃ聞くけど、ブランド力って何だ? 例えばスターバックスのブランド力って何? そこらのコーヒー店と原価そんなに変わらんのに、キミはなんでスタバに行くの? このロゴマークがブランド力だってか。じゃあキミ、このロゴ、前から知ってたか? 知らんかったろうが。知らんかったのにスタバに通うの、なんでだ? スタバの商品力はもちろんだがサービスを体験したからだろうが。中身が先なんだよ! どこまでサービスを磨くか、客をどれだけ喜ばせられるか、そこなんだよ!」。
 
そんなふうに彼と切った張ったしながら気付いたのは、私も25年前、アメリカ商業視察セミナーで、高級百貨店のノードストロームの店長が「顧客サービスの追求こそが一番大切だ」という話をしたときに、同じ反応をしたんだよね。挙手こそしなかったが、「お前んとこだからできるんだ! 金があるからできるんだ! 余裕があるからできるんだ! 日本とアメリカは違う! ふざけんな!」って腹の中で葛藤していた。その時の感触を布袋君に思い出させられた。
 
そしてこのことも気付かされた。別に彼は私が憎いんじゃない。私の話を自分事として聞いているから、似たようなことは何度も聞いているのに変われない悔しさのあまり反論しているんだ。最初から他人事で聞いていれば「先生、それは素晴らしいです、感謝します、ありがとう」で終わるけど、彼は違う。本音は変わりたい。そう感じたから私も意気に感じて、「何か間違ってる部分があるから儲からないんだよ。直接現場を見に行くよ。明日は北京入りだから今回は無理だけど、次回必ず行くから心配するな。そのとき一緒に問題点を見つけよう!」そう言ってスッと手を出した。いや、自然に手が出た。そうしたら、番犬が吠えてるみたいだった彼の雰囲気がふっと変わって、嬉しそうに手を握り返してきた。それから私が「他にもそういう奴いるか? いたら手を挙げろ!」と言ったら何人か挙げたから、主催者側にチェックさせて、次回以降見に行くことを約束して「第1回中国広州勝人塾」を終了した。
 
 

その“愛”を客は見ている
だから逃げるな! 向き合え!

 
中国の人は本音をさらけ出すところがいいよね。だからこっちも気付きが促される。今回の塾の終了後も息子の勇士総経理とふりかえりながらいろんなことに気付いたり、思い出したりして、その中に、自分も「想い出をキレイに一生残すために」を本気で実践できるようになるまでは随分かかったなぁ、というのがあった。
 
人間は絶好調の時は他のやり方に耳を貸さない。その意味ではむしろ余裕がない時こそ成長するチャンスだ。私の場合、1990年代末頃すでに、「これからは顧客満足だ」とか「価格競争からサービス競争だ」といった話は聞いていた。でも、当時はまだ価格競争が絶好調だったから素直に聞けなかった。それから2000年代に入り、カメラがフィルムからデジタルに変わり、競合相手がカメラ店から家電量販店へと変わり、価格競争では勝てなくなってきた。店の売上が毎月落ちていく。どんどんジリ貧になっていく。それで“どうしよう・・・”と考えた結果、「顧客サービスで戦う」というアメリカでの教えが蘇ってきた。
 
「想い出をキレイに一生残すために」という理念を定めたのは2003年。ただ、最初は確かに口先だけだったと思う。そこから腹落ちして本気で取り組めるようになるまで3年はかかった。現場に浸透させてアソシエイトが実践できるようになるまではもっとかかった。クレドをつくって全員に持たせて、ことあるごとにしつこく叩き込んで、全員でそうやってとことん顧客サービスに徹するうちに、やっと、お客さんはサービスに対してもちゃんとお金を出してくれるんだとわかった。お客さんは見てるんだよ。こっちの“愛”を。
 
これは中国に行き始めてわかったことともつながっていて、向こうは人間を見るんだよね。日本はバックにある会社名や企業規模を見てビジネスをするけど、彼らは違う。上場しているから信用できるとは限らないせいもあるのだろうが、最終的には「俺とお前」。人間対人間の世界。目の前の相手に対して“こいつと商売ができるかどうか”を見ようとする。だから、相手から逃げずに向き合う人間が信用される。私が布袋君と最後はガッチリ握手ができたのも、私が彼の本気から逃げずに向き合ったからなんだ。
 
そこが13億人巨大市場中国ビジネスのおもしろいところだと思う。また安倍晋三首相がこの前の日中会談でいいことを言ったよね。「競争から協調へ」って。みんなはあの言葉を「競い合う段階はもう止めて、協調する段階へ移ろう」という意味にとったかもしれないけど、私たち現場は違うふうに捉えた。「本気で競い合うからこそ本物の協調関係が生まれる。これからも大いに尊重し合い、大いにやりましょう」という意味に感じたけどね。中国側はきっとそう受け取ったと思うよ。私もこれから中国の経営者たちと本気で競争して、その中で真の協調関係を築いていくから、ヨロシク!
 
11月21日~12月31日までの勝人塾
経営者の悩みを即解決! 少人数制・公開コンサルティング形式の経営者のための勉強会「勝人塾」。2018年11~12月は下記日程で行います。当日参加、大歓迎!
 
 
■11月21日にいがた勝人塾IN巻 事務局おぐま式POP塾
https://www.facebook.com/events/1907959022627066/
 
■11月27日とうほく勝人塾IN八戸 事務局やまはる
https://www.facebook.com/events/2095079777191778/
 
■12月12日PIO勝人塾IN郡上大和 事務局郡上商業開発
 
■12月21日とちぎ勝人塾プレミアムIN宇都宮 事務局日本販売促進研究所
https://www.facebook.com/events/1881116131986305/
 
■11月26日第4回「ニコニコチャンネル ニッポン勝人塾 生配信」(15:00~16:00)
http://live.nicovideo.jp/gate/lv316603047
 
 
 
繁盛請負人・佐藤勝人の時事国々リポート
vol.25 中国広州勝人塾で気付いたこと
   

 著者プロフィール  

佐藤 勝人 Katsuhito Sato

サトーカメラ株式会社・代表取締役副社長/日本販売促進研究所・商業経営コンサルタント/想道美留(上海)有限公司・チーフコンサルタント/作新学院大学・客員教授/宇都宮メディアアーツ専門学校・特別講師

 経 歴  

1964年栃木県宇都宮市生まれ。1988年、兄弟とともに家業のカメラ店をカメラ専門チェーン店に業態転換させ、商圏をあえて栃木県内に絞ることにより、大手に負けない経営の差別化を図った。以来、「想い出をキレイに一生残すために」というコンセプトを追求し続けて県内に18店舗を展開。同時におちこぼれ社員たちを再生させる手腕にも評価が高まり、全国から経営者や幹部リーダーたちが同社を視察に訪れている。2015年からはキャノン中国とコンサルティング契約を結び、現場の人材育成の指導にあたる。主な著書に『売れない時代はチラシで売れ』『エキサイティングに売れ』(以上同文館出版)『日本でいちばん楽しそうな社員たち』(アスコム)『一点集中で中小店は必ず勝てる』(商業界)『断トツに勝つ人の地域一番化戦略』(商業界)など。新刊の『モノが売れない時代の「繁盛」のつくり方』(同文舘出版)が好評発売中。

 オフィシャルサイト 

http://satokatsuhito.com/

 オフィシャルフェイスブック 

https://www.facebook.com/katsuhito.sato.3?fref=ts

 サトーカメラオフィシャルサイト 

http://satocame.com/

 
 
(2018.11.21)
 

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