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コラム 世界珍写行の発想術 vol.3 世界珍紀行の発想術 クリエイティブディレクター

コラム
 
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本を出版したい?
読んでみてください。

 
 
「世界珍写行」のタイトルとは趣旨が変わるかもだけど「珍写行」の写真使用、てことで許して(笑)。
 
 
これを読んでる人にも、たくさんいるかもしれないな。自分の本を出版してみたい、って人。いやぁ、たいへんだよ、やめといたほうが・・・(笑)。とにかく本が好きだから、闇雲に出したい。自分の仕事の後押しにつかいたい。オピニ オンリーダーになりたい。自分のノウハウを世の中に役立てたい・・・その目的もいろいろだと思う。
でね、僕は生まれて初めて、先日、本を出版しました。出版に縁遠い人たちにとって(僕もそうだった)、出版までの経緯って、案外知らないよな、と思って、そのドタバタな地獄を書いてみようかと。結果的には、アイデアを考える流れもOJT的に触れられるんじゃないかな。
 
 
今回の出版前に、何社かと出版についての打ち合わせをした。僕は広告屋で、いまはたとえば、忌野清志郎さんが歌うセブン-イレブンのブランドコミュニケーションの責任者とかをしている。出版業界と近いようで、まったく違うの。ついでに言うとテレビ番組制作ともぜんぜん違う。なので、出版についてはズブズブの素人。たまたま間をつないでくれる人がいて、出版社の人と会った。
ある出版社の偉いさんと話していても、なんつーか、いま本はどんだけ売れないか、だの、売れるためには付録を付けるだの、売れる種類はビジネス書のみ、しかも「時間術」だの「整理術」だのの類いが売れてる、と言われた。まったく夢を感じなかったんだよなぁ、しかも「時間術」「整理術」なんていう本が買われて読まれる事実に、まったく共感できなかったもん、おれ。そんな本、買う人ほんとにいる!?みたいな。
 
 
でもね、ちゃんと考えてみると、いまはほとんどの情報が、インターネットで無料で手に入る時代、わざわざ1000円以上のお金を払って本に手を伸ばす人は、そんなにはいない。楽しむ、程度の理由では、ちっとも買わない。ほんとに必要! な本が売れていくんだな、あるいは所有欲求!と、ぼんやり思った。ま、正直、思うこととできることは違うけどね、現実は。
 
 
実際、僕は小さい頃から本を読んでは来たし、そしてこの業界に入ったのはコピーライターとしてだし、文字を書くことにそれほど違和感はなかった。でも、一体、何について書いたらいいんだ? 純粋な小説などは案外リスペクトしていて、そうそうカジュアルに手を出すのは、切腹した三島由紀夫に申し訳ない。三島由紀夫とか川端康成とか筒井康隆とか舞城王太郎とか、無理だわ、なれないわ。やっぱり、自分がこれまでやってきた「コミュニケーション」まわりなんだろうな、とは思った。
 
 
でもね、ここがまた僕のやっかいなとこで。企画のやり方、アイデアの作り方、ブランドの育て方、伝えたいことの整理・伝え方、コピーの書き方、そんな本は山ほどあって、腐るほどあって、銀バエがたかるほどあって、そんなんほんとに役に立ったことある? しかもそれが教科書的に淡々と書かれていて、プランナーとして現役の僕がやることではないよな。アイデアでメシを食ってる人間が、その創作にアイデアを放棄するのは、ピエロだよな、なんてね、生意気だけどね。
 
 
そうしてるうちに、なぜか、何でも書いていいですよ、と、言ってくれる怖い物見たさの出版社が現れた。それがこの本のビジネス社だ。いまごろ、後悔してんじゃないかね(笑)。ふ~~~、まったく先に進まない。
 
 
上のビジュアルは、東急渋谷駅に貼られたB倍6連貼りという巨大なポスターだ。僕の本の告知だった。
地獄の執筆、そのつづきは、また次号で。
 
 
 
▼今回のキーワード
自分にできることと
マーケットが求めることを
重ね合わせてみる。
 
 
 
 

 執筆者プロフィール 

永澤仁 Hitoshi Nagasawa
クリエイティブディレクター/run!run!! planning!!! 海の家 店主

 
20140319cl_38ex02.png もったいないワタシの売り方

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小さな会社や組織や個人を強くする!仕掛け絵本みたいなたのしく役立つ「発想法」「ブランド創造」「セールストークの書き方」を公開! 
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 経 歴 

セブン-イレブン(忌野清志郎さんが歌うブランドの根幹を担う「近くて便利」コミュニーケーション)、バイク王(雨上がり決死隊バージョン)、キリン氷結(発売から6年間)、シチズン(広告&商品開発)など数々のクリエイティブを責任者として手がけ、そのすべてをジャンプアップさせた実績を持つ。競合プレゼンでは独創的なスタイルで3年半無敗を記録。受賞歴は国内外100以上。強い、正しい、面白い! 国も地域も企業も商品もお店も人も、めざすゆたかな高みへ。

オフィシャルホームページ  http://umino-ie.jp
フェイスブック (個人) https://www.facebook.com/hitoshi.nagasawa.35
フェイスブック (海の家) https://www.facebook.com/uminoie777

 

 

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