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会社を元気にする方法 vol.11 掃除は誰のためにするのか 株式会社リガヤパートナーズ 園田幸央 会社を元気にする方法 vol.11 掃除は誰のためにするのか

 
 部屋が清潔かつ整理整頓されていると誰でも心地よく感じるのではないでしょうか?それは自分の部屋であっても職場であっても同じです。良い職場環境が従業員のモチベーションを向上させ生産性までもアップするというのは様々なデータからも立証されていることですが、具体的にどのようにアプローチすれば良いかを考えてみましょう。
 
 

<掃除は誰の仕事?>

 
 大企業であれば共用スペースも広く、清掃を専門に外部委託することも珍しくはありませんが、中小企業の場合、日常的な清掃はスタッフ一人ひとりが行うのが一般的です。長年、整理整頓されず清掃もきちんと行われていない職場で、ある日突然 「今日からオフィスをキレイにしなさい」 と指示を出したが効果がなかったという経験はありませんか?その理由は、たかが掃除と言ってもそれが業務の一環に位置づけられていなければ職場には定着しないからです。職場の美化をすすめるにあたっては、掃除が業務のひとつであるということをはっきりと示すことが必要です。
 もちろん、誰がどの部分をどの時間帯に清掃するといった具体的な作業内容も役割分担しなければなりません。日本人は民族的に決まりごとを好む人種だと言われています。決まった時間に決まった行動をすることに安心感をおぼえ、仕事の上でも連帯感や一体感を感じることができることは日本人の高い勤労モラルにつながっているのではないでしょうか?
 逆に言えば、ルールが決まっていないことに関しては自ら率先して取り組むことを避ける傾向が強いとも言えます。決まったことはキチンとやるが、決まっていないことには無関心なのが我々日本人の特性であるようです。
 まずは美化すべき場所を区分けし、その部分に責任者 (担当者) を設けましょう。面積の大きさや区分けされた場所に応じて交代制にすることも、あわせて検討すると良いでしょう。
 
 

<掃除の波及効果>

 
 某大手企業の社長は、トイレ掃除は仕事の原点であり、人格の育成にも大いに役立つと断言しています。今年ヒットした 『トイレの神様』 という曲にも同じような考えかたが見受けられるように、心の美しさと便器の美化というものの関連性は誰にでもわかるような気がします。昨年のプロ野球ドラフト会議の注目選手であった西武ライオンズの菊池雄星投手も、高校時代にトイレ掃除に日々取り組んでいたエピソードがテレビで紹介されていました。
 私は、トイレに限ったことではなく、掃除をする “心” が大切なのではないかと思います。例えば街で落書きを見かけて、それがしばらく放置されているとまた別の落書きが書かれています。ごみの不法投棄も同じで、既にごみがある場所に別のごみを捨てるのは良心が痛みにくいのです。
 美しく整理整頓された場所に身を置くと何故か背筋が伸びるような気分になるのは、自分自身もその場所にふさわしい立ち振る舞いをしなければならないと感じるからです。そのような精神状態をつくりだすことが、職場における掃除の最大の目的なのです。その結果としてスタッフのモチベーションも期待できるのです。
 
 

<責任感とやりがい>

 
 普段の仕事では何故か成果を出せず、会社のお荷物扱いされている人物がいるとします。本来能力も高く、やればできると思って採用したのになかなか結果が出せないような場合にも、職場の美化という単純作業が変化をもたらすことがあります。
 職場でモチベーションが下がっていく最大の理由は 「自分は必要とされていない」 と感じてしまうことです。その結果、やる気がなくなり、自ら行動を起こせなくなってしまうのです。そんな時に、職場の美化という、すぐに結果が出る身近な業務できっかけを与えてあげると、本人の中で切れていたスイッチが入ることがあります。掃除は目に見えて効果が現れるだけでなく、他のスタッフからもダイレクトに感謝される作業ですから、本人も精神的に満たされるのです。
 ただし、掃除はあくまでもきっかけ。掃除を通して再び向上心を持ってもらうことが本来の目的です。職員の士気を高めるには、会社が明確な方向性や理念を持つことも重要ですが、職員全員が責任感ややりがいを感じられるきっかけを作り、日常的に一人ひとりが活躍できるようにする工夫も不可欠なのです。
 
 このように考えたとき、上司は部下に 「掃除しろ」 ではなく、まずは自分から始めましょう。それが会社全体の日々の習慣となれば、やがてより良い社風として定着していきます。このコラムのテーマである 「会社を元気にする」 を実現するためには、スタッフ一人一人が元気であることが大前提です。そこに向けたきっかけの一つとして、職場の美化を始めてみませんか?
 
 
 

 執筆者プロフィール 

園田幸央 Yukihiro Sonoda

株式会社 リガヤパートナーズ 代表取締役

 経 歴 

医療法人社団の経営者として10年以上経営に従事。その間、フィットネス、コンサルティング、ITなどの複数の法人を立ち上げ、各代表に就任。2005年、経営者としての経験および起業家としての経験を活かし、株式会社リガヤパートナーズを設立。医療機関や製薬会社向けのセミナー・講演会等多数。

 オフィシャルホームページ 

http://www.ligaya.co.jp/