会社は、それぞれに取り扱う商品やサービスなどの違いはあっても、目指すべき目標を持っているという点で共通しています。上場を目指す会社もあれば、現状を維持しながら安定した経営を目指す会社もあります。業種業態によって各会社の目標は違っても、重要なのは、その目標を全社員が深く理解しているかどうかということです。
<何のための仕事?>
“働く”ということは生活していく上で必要であるとは誰もが分かっていますが、何のためにその仕事をしているかという目的を意識している人は案外少ないものです。「お金のため」「家族のため」「老後のため」 に頑張るというだけでは、持続性を持って働き続けることは難しくなります。その仕事に “やりがい” を感じ、会社の掲げる目標に心から賛同できれば、どれほど仕事は楽しくなるでしょう。
日本の高度経済成長の象徴となった数多くの会社は、常に何か明確な目標を持っていました。例えば、ナショナル(現パナソニック)は 「テレビ・冷蔵庫・洗濯機」 という今や当たり前の家電製品をすべての家庭に普及させることで人々の生活をより良くしようという思いの元に大きく成長しました。これはビジネスの世界ではあまりにも有名な話です。今となっては人々の生活を劇的に変えるほどの製品やサービスを発想し、販売することは決して容易なことではありませんが、会社の目標としてはこれほど分かりやすい例もないのではないでしょうか? 自分たちの仕事で多くの人々の生活を変えるという目標設定は、社員にとってもやりがいに直結したことは間違いないでしょう。
市場や景気、時代背景の違いはあれど、多くの人々が仕事そのものにやりがいを感じていた頃は会社も大きく成長し、活気にあふれていたのです。最近のように、労働基準をめぐって会社と社員が対立したりすることも少なく、皆で共通の目標に向かって頑張れた古き良き時代と言えるかも知れません。
このように全社員に通じる分かりやすい目標を掲げることができれば良いのですが、組織の中で業務と役割が細分化された現代の会社においては、目標設定にも工夫が必要です。
<目標設定のポイント>
では、具体的にどんな目標設定をすれば良いかを考えてみましょう。
「皆が安心して働ける会社」「社会に必要とされる会社」 といった抽象的な目標ではなく、「○○の分野で年内にシェア○%を達成する」「顧客満足度調査で常時95%超を目指す」 といった具体的な内容と数字を含む目標のほうが、より社員の心に届きます。スポーツの世界を考えるとよく分かるのですが、「100メートルを10秒で走る」 という明確な目標があって初めて、日々のトレーニングメニューが決定します。筋力トレーニングの割合、メンタルトレーニングの割合、食事・体調管理の留意点など、様々な要素をひとつひとつ吟味しながら日々取り組むべき課題を整理するのです。
実は会社も全く同じで、設定した目標から逆算して日々の業務へ落とし込むことが重要なのです。根性論で、毎日頑張っていれば成果は必ずついてくるというアプローチで社員のモチベーションを維持することは、容易ではありません。いま自分自身が関わっている仕事がその目標達成にどのように貢献できるのかを常にイメージできる会社を目指したいものです。そのためには、可能な限り具体的な数値を目標の中に取り入れることが必要なのです。




