会社が活気にあふれ、全職員のやる気がみなぎっていればどれほど業績が上がるだろうかと考えたことはありませんか?
自社の商材がモノであれサービスであれ、それをお客様や取引先へ届けるのは人間です。また互いに顔を見ない職種であっても、その仕組みを作り上げ、運営するのも人間です。つまりどんな業種、業態でも働く人間のモチベーションによってその成果は大きく変わってくるということです。つまり従業員がやる気を起こすような組織を作り上げることは会社にとってより良い製品、サービスを作ることと同等に重要なことなのです。
終身雇用という、戦後の日本を象徴する企業の在り方が大きく変貌する中で、転職という行為も社会的に何ら特別なものではなくなりました。そのため優秀な人材は個人としての評価を武器により良い環境を求めて転職します。一方、会社は従業員の定着率よりも年間での給与費の費用対効果を気にするような傾向が強まりました。それはある一定の雇用条件だけでは一人の人間を会社に繋ぎ止めることがいかに難しい時代になっているかということでもあります。
<従業員のモチベーションが下がる理由>
我々が企業の規模、業種に関係なく訪問先の会社で感じることは、働く人たちのモチベーションそのものが会社の業績に連動しているということです。働く側にしてみれば当たり前の理屈なのですが、経営側の立場からはなかなか従業員の気持ちを汲み取ることは容易ではないようです。管理職の方なら、「がんばってくれ」「危機感を持ってくれ」と部下を激励しても、何か手ごたえが感じられないという経験を一度くらいお持ちではないでしょうか?
そこで従業員満足という視点からのモチベーションについて考えてみましょう。
会社にとって、やる気に溢れた従業員ほど頼りになるものはありません。ところがやる気が無くなってしまった従業員に対しては、「あいつはだめだ」「仕事をなめている」「高い給料を払っているのに」といった批判的な目で見てしまいます。なぜ、そのような状態にその人が陥ってしまったかということを考えようとしないのです。仕事だから、給料をもらっているから、というだけでモチベーションを維持できると考えるのは経営側の勝手な判断です。ここに雇用する側とされる側の大きな隔たりがあるのです。
雇用する側が考える従業員満足と言えば、以下のようなものが挙げられます。
「良い雇用条件(給料)」
「快適な職場環境」
「会社に対する誇り(ブランド、知名度)」
一方、雇用される側にとっての満足とは以下のようなものなのです。
「平等な評価制度」
「やりがいのある仕事」
「目標の共有」
特殊な技術を要する職種に限っては、報酬額に大きな差が出ても当然で、それがモチベーションに直結する場合もあります。例えばプロスポーツ選手などがその典型です。彼らは個人の能力と成績が報酬に直結する厳しい世界で生きているからこそ、チームメイトと給与面で大きな格差が生じても納得できるわけです。しかしながら一般の事業会社では、そのように個人の能力だけを評価することは困難です。営業手当など部分的な評価はあっても、最終的に個々の力を結集して会社の総合力となるのが大きな違いなのです。
<給料だけで従業員の心はつかめない>
そこで報酬面以外でどのようにモチベーション向上をはかるかが課題となるのです。入社時にはほとんどの社員が、雇用条件については納得しているものです。ところが不平不満が生じると経営側はそれを解消し離職を避けるために、その場しのぎで給与の見直しを図ろうとします。それでも辞職する従業員が後を絶たなかったり、職場の雰囲気が悪くなるのには原因があります。せっかく給料を見直して、好条件を提示したのに、
「自分は本当に必要とされているのか?」
「所詮、お金か?」
「なぜ、最初からその給与を出してくれないんだ?」
と、かえって反感を買うこともよくある話です。良かれと思って講じた策が全く効果を発揮しないのは従業員の心理を経営者が理解していないことに起因します。
リガヤパートナーズ 園田幸央




